埼玉新聞

 

<台風19号>東松山、川越、坂戸で避難続く 秩父地域は断水など被害 日高は浸水でウズラ10万羽が死ぬ

  • 決壊した都幾川の堤防を補修する重機=15日午後、東松山市早俣

 台風19号による記録的な大雨で甚大な被害が出た県内は15日も東松山市など3市9カ所の避難所に220人が避難している。秩父地域では断水が続いている世帯や土砂崩れにより車の通行ができない集落もある。今後は農作物への影響も懸念される。一方、浸水で入居者80人が取り残された川越市の「ケアハウス主の園」では、14日午後までに全員救助。堤防が決壊した東松山市の都幾川では堤防の緊急復旧工事が始まった。

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 県によると、15日午後1時時点の避難者数は、東松山市(4カ所・96人)、川越市(3カ所・81人)、坂戸市(2カ所・43人)となっている。ピーク時で1076カ所の避難所が開設し、3万147人が避難した。

 秩父市の892世帯と東秩父村の137世帯で断水が続いている。土砂崩れにより、車両の通行ができない集落が5地区で発生。ときがわ町大野地区(13世帯18人)、同大附地区(6世帯人数不明)、越生町龍ケ谷地区(2世帯2人)で、自衛隊が現地で状況を確認している。秩父市中津川地区(14世帯17人)と小鹿野町両神小森地区(34世帯60人)はライフラインに影響はなく、徒歩での通行は可能という。

 住家被害は一部破損6棟(小鹿野町3棟など)、床上浸水914棟(東松山市240棟、川越市200棟など)、床下浸水1188棟(川越市300棟、ふじみ野市154棟など)に上っている。

 農作物は県内全域で、水稲やそば、大豆などの農地約40ヘクタールが浸水。日高市では畜舎の浸水で約10万羽のウズラが死んだ。農業用ハウスの倒壊や損壊、被覆資材の?がれは47棟に及んでいる。

 大野知事は15日、災害対策本部会議で県幹部職員らに「これから復旧・復興の本格的な段階に移行していく。被災者が一日でも早く日常生活を取り戻すことができるよう国、市町村、関係機関などと連携し、取り組んでほしい」と呼び掛けた。

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