埼玉新聞

 

県民生活部長、県が更迭 台風19号で自転車出勤、勤務後に酒に酔い自転車運転 警視庁に事情聴取

  • 会見で県民生活部長の更迭を説明する大野元裕知事(中央)=21日午後5時40分、県庁

 県は21日、県民生活部長(59)が13日夜に酒を飲んで酔った状態で自転車を運転し、警視庁に道交法違反の疑いで事情聴取されていたとして、同日付で更迭し、自宅待機を命じた。大野元裕知事は同日、会見を開き「台風19号対策に県が一丸となって対応しなければならない時に、酔って自転車に乗る行為は遺憾。交通安全を所掌する県民生活部長の責任は重く、深くおわびする」と話した。

 大野知事は警察の捜査終了を待って処分を下すとしており、自転車の飲酒運転による県職員の懲戒となれば史上初という。

 県によると、県民生活部長は13日、台風19号により公共交通機関が止まっていたため、東京都北区の自宅から県庁(さいたま市浦和区)まで自転車で出勤。勤務後、同日午後7時ごろから東京都北区の飲食店でビールや日本酒を飲んだ。同10時半ごろ、自転車に乗ろうとしてバランスを崩したところを王子署員に職務質問された。その後、任意の事情聴取を受けたが県に報告せず、大野知事の代行として15~19日まで豪州を訪問していた。

 18日に同署から県に連絡があり発覚。県人事課によると、県民生活部長は「26日に再度事情聴取があるので、県への報告はその後でよいと考えた」と話しているという。大野知事は「13日は台風被害の全容は分からず、亡くなる方が増える可能性もある中、幹部職員のしたことは知事にも責任がある」と述べた。

 県民生活部長の後任には小島康雄副教育長を任命した。

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