埼玉新聞

 

<参院補選>前知事・上田氏が初当選 N国党首・立花氏を破る 投票率は20・81%

  • 当選確実の一報を受け、支持者らと万歳三唱を行う上田清司氏(中央)=27日午後8時すぎ、朝霞市西弁財の選挙事務所

 参院埼玉選挙区補欠選挙(改選数1)は27日投開票され、立憲民主、国民民主の両党県連が支援する無所属新人で前知事の上田清司氏(71)が、NHKから国民を守る党党首で前参院議員の立花孝志氏(52)を破り、初当選した。県民は「消費税5%減税の実現」を主張した立花氏ではなく、「地方重視の政治」を訴えた上田氏を選択した。元衆院議員の上田氏は16年ぶりに国政に復帰する。投票率は20・81%で、1991年に埼玉選挙区で記録した参院補選全国最低投票率の17・80%を3・01ポイント上回った。

 1日の消費税増税後初の国政選挙。同補選は、8月の知事選に出馬し、初当選した大野元裕知事の参院議員辞職に伴い実施された。埼玉選挙区での参院補選は2003年以来、16年ぶり。

 知事を4期16年務めた上田氏は、知事在任期間中の人口増加率や県民所得の増加、企業誘致件数、行財政改革などの実績をアピール。「前知事としての経験を国政に生かす。埼玉県の課題を国政にぶつけ、同時に国政の課題も解決していく。県政と国政の懸け橋になる」とし、地方重視の政治を公約の中心に掲げた。

 上田氏を支援した立憲、国民両党の県連所属議員をはじめ、親交のある自民の国会議員も応援に入った。高い知名度を誇る上田氏だが、選挙期間中は県内をくまなく回り、週末にはJR大宮駅で駅頭キャンペーンを行うなど精力的に運動を行った。

 立花氏は「改憲よりも消費税増税について国民投票をすべきだった」と主張し、消費税の5%減税実現を公約に掲げた。今回の補選の構図を「既得権益対反既得権益」と位置付け、参院選の被選挙権年齢を引き下げることの必要性を訴えるなど持論を展開した。

 強みの「空中戦」では、動画投稿サイト・ユーチューブでの街頭演説中継に加え、実業家堀江貴文氏との対談や、演説後に支援者や若者と立ち話をする様子を配信して親しみやすさをアピール。ツイッターで予定を発信するなど、得意とする手法で支援の輪を広げたが、及ばなかった。

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