埼玉新聞

 

ミス織姫と宿場小町を山車に大行列 蕨で宿場まつり、14万人でにぎわう 子どもらに人気のミニ鉄道も

  • 新旧織姫、宿場小町たちと頼高英雄市長(中央)。その左が今年のミス織姫、須賀萌花さん=3日、蕨市

  • 宿場まつりに蕨ファッションで参加した人たち。中央に吉村宏美さん=3日、蕨市

 蕨市の旧中山道で3日、秋の恒例行事「第36回中仙道武州蕨宿・宿場まつり」が開催された。旧本陣周辺の東西約1キロの沿道には焼き鳥や焼きそばといった昔ながらのグルメや植木などの露店が並び、小さな子どもからお年寄りまで約14万人でにぎわった。普段は静かな商店街に昔の宿場町のにぎわいが戻った。

 見ものは、毎年選ばれるミス織姫と宿場小町を乗せた山車の織姫道中大行列。今年の織姫は明治大学1年生の須賀萌花さん、宿場小町は成蹊大学1年生の植村凪沙さんと早稲田大学1年生の小池彩莉さん=いずれも19歳。須賀さんは「人とのつながりが温かい、蕨の町のことをいろんな人に伝えていきたい」と抱負を語った。

 行列の先頭は蕨市と災害相互応援協定を結ぶ静岡県湖西市の浜名湖大太鼓。直径2・4メートルの日本一と言われる大太鼓で、元市長の三上元さんがばちを握り笛を吹いて参加した。頼高英雄市長も昔の武士姿で歩いた。

 沿道ではミニ鉄道が子どもたちの人気を集めた。近くの明星幼稚園が毎年出している。駅長を務めた髙橋俊次園長(56)は「父の代に都内の工業高校の生徒たちが作ってくれた。入園式には園庭で走らせる。不安な顔だった新入生たちが笑顔になるんです。今日も、大勢の子どもたちが乗ってくれた。1人50円の乗車賃は全部市の社会福祉協議会に寄付します」と話した。

 大会会長で呉服店主の北條浩司・観光協会会長(78)は「悠久の歴史を映す祭り。良き思い出をつくる祭りとしても続けていきたい」。まつり実行委員長で看板屋を営む森康泰さん(53)は「今日一日、江戸時代を楽しんでいただきたい」と、それぞれ思いを語った。

■「双子織」でジャケット

 織姫道中の行列の中に蕨の新しいファッションをまとった人たちがいた。上着は中央3丁目の「クチュール・カワムラ」のデザイナー、吉村宏美さんと、塚越5丁目のファッションメーカー「ニイニ」のデザイナー、保坂郁美さんがそれぞれ独自にデザインしたジャケット。

 蕨で復元された明治初年ごろの蕨特産の縞木綿「双子織」を使っている。ズボンは塚越2丁目の作業服メーカー「上田衣料」のとび服。だぼだぼで丈が長いシルエットが特徴。

 これを着て行列に参加した県議事務所勤務の飯島孝江さんは「動きやすくて、足も長く見える。ズボンはガシガシはいて、ガシガシ洗っても大丈夫みたい」。会社員斎藤めぐみさんは双子織の上下で「普段の仕事で着てる。ビジネスもフォーマルもオーケーですね」。

 お茶屋経営の矢島直子さんは「ズボンをはいてる感じがない。自由で夢が膨らむ」。双子織のつなぎを着た地元の信金職員の五十嵐雅広さんは「しっかりした生地で冬も暖かいと思う」と話した。

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