埼玉新聞

 

自民本部、埼玉14区で候補者擁立を見送り 準備していた自民県連「反発ある」 対応に追われた県議の思い

  • 街頭演説する公明党の石井幹事長=5日午前、草加市

    街頭演説する公明党の石井幹事長=5月5日午前、草加市

  • 埼玉14区(草加市、八潮市、三郷市)

    埼玉14区(草加市、八潮市、三郷市)

  • 石井啓一氏

    石井啓一氏

  • 街頭演説する公明党の石井幹事長=5日午前、草加市
  • 埼玉14区(草加市、八潮市、三郷市)
  • 石井啓一氏

 次期衆院選の小選挙区割り変更に伴い、公明党が石井啓一幹事長の擁立を決めている埼玉14区について、自民党本部が候補者擁立を見送る方針を固めたことに対し、候補者擁立の準備を進めていた自民党埼玉県連の幹部から「地域の反発がある」と懸念の声が漏れた。

 埼玉新聞の取材に応じた地元県議は「(地域の反応は)少なからずあった。支援者や役員、各団体の長から『党本部の決定なのか、県連としての決定なのか』という問い合わせは多くあったが、県連の連絡を待っている状態だと説明した。いずれにしても地元の支援者にきちんと説明することが必要」と対応に追われた実情を明かした。

 自民党県議団の幹部は「党員としてはふがいないし、残念な思いはある。公認や推薦の最終的な決定権は党本部にあるので、政権与党として石井さんを立てると決めた以上は応援するしかない」と話した。

■公明・石井啓一氏、衆院埼玉14区で初の演説(以下、2023年5月6日掲載の記事)

 公明党の石井啓一幹事長は5月5日、自身が公認を得ている衆院埼玉14区に関し「与党統一候補として出馬するつもりだ」と強調した。自民党埼玉県連が反発していることには「丁寧にやっていくしかないが、自民の動きを見守りたい。少なくとも党本部間では合意されている」と述べた。公認決定から初めて同区内の草加市で街頭演説した後、記者団に語った。

 東京28区など他の選挙区の与党調整については「ボールは自民にある。自民の対応を見守っている状況だ」とした。

 公明は3月、衆院小選挙区定数「10増10減」後の埼玉14区に石井氏の公認を決定。ただ自民県連は独自候補擁立を党本部に求めるなど石井氏の出馬に難色を示しており、この日の街頭演説も公明単独での実施となった。

 街頭演説では「地域の発展のために全力で働く。これから有権者の皆さまにしっかりとアピールしていきたい」と訴えた。

■公明党幹事長・石井氏が出馬表明 埼玉14区(以下、2023年3月11日掲載の記事)

 公明党幹事長の石井啓一衆院議員(64)は3月10日、県庁で会見し、衆院小選挙区定数「10増10減」後の次期衆院選の埼玉14区(草加市、八潮市、三郷市)で立候補すると表明した。

 石井氏は東京都出身。東大を卒業後、建設省に入省。退職後の1993年衆院選で旧東京5区から立候補して初当選し、前回2021年の衆院選比例北関東で10回目の当選を果たした。この間、国土交通相などを歴任した。

 石井氏は東埼玉道路の整備など取り組むべき地域の課題を挙げ「小選挙区での挑戦は30年ぶり。皆さまの期待にお応えできるよう、必ずや次期衆院選で勝利する。これまで培った経験や知見をもとに、周辺地域の発展や住民福祉の向上の実現に全力で取り組む。皆さまに私自身を知っていただくよう、さまざまな場面で地域に入りたい」と述べた。
 

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