埼玉新聞

 

学校で女性窒息、喉に餅を詰まらせ…教諭2人の処置で一命 宮代消防署が表彰「これからの季節、注意を」

  • 感謝状を受け取った右から皆川麻衣さん、立花由佳理さん=宮代町須賀の宮代消防署

 餅を詰まらせ窒息した女性を救ったとして、埼玉東部消防組合宮代消防署は7日、県立宮代特別支援学校養護教諭の立花由佳理さん、皆川麻衣さんに感謝状を贈呈した。餅を食べる機会が増える冬に向け、同消防署は注意を促している。

 2人は9月24日、生徒を送迎する70歳代添乗員女性が同校休憩室で喉に餅を詰まらせ危険な状態に陥った際、心肺蘇生などを処置し女性を助けたとされる。

 2人によると、女性が倒れたと報告を受け、駆け付けた。女性の顔色は悪く、意識も薄れ、呼吸も低下。2人は背中をたたいたり、腹部を圧迫、心臓マッサージをするなど処置した。餅は出て女性は一命を取り留めた。

 2人は「こんなことがあるんだとびっくりした。餅が出てきた時は良かったと安心した」と当時を振り返った。

 同消防署管理指導課は、正月など餅を喉に詰まらせ命を落とすケースが毎年後を絶たないとし「今回は適切な処置で非常にラッキーなケースだった」と話す。

 餅を詰まらせた場合の一般的な処置は、本人に吐き出させる、背中をたたく(背部叩打)、腹部を圧迫する(ハイムリック法)などが適切。呼吸が弱まった場合は、心臓マッサージが必要で、マッサージにより餅が吐き出されることもあるという。一方、餅の粘性が高い場合、呼吸ができず窒息。急な出来事で、周囲も適切な対応が難しいとされる。

 贈呈式で松川広之同消防署長が「分かっていてもその場ではなかなかできない。勇気を持った行動に感謝したい」と表彰状を手渡した。

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