しょうゆパーク、川島で16日オープン 創業230年の笛木醤油が運営 亡き父の夢、形に
2019/11/15/00:00
老舗しょうゆメーカーの笛木醤油(川島町)は16日、レストランや直売所を併設し、工場見学やしょうゆ造りを実際に学ぶ体験型複合施設「金笛しょうゆパーク」をオープンする。全国でも数少ない木おけを使った伝統的な製法やしょうゆ文化の魅力を体感できる拠点として、観光客やインバウンドの誘致拡大を目指す。
食べる・学ぶ・買う・遊ぶの4テーマで構成された同施設の開業は、今年で創業230年を迎える同社の記念事業の一環。
もともと事務所として使っていた蔵をレストランと直売所に改装。しょうゆの味わいをひきたてる自家製うどんやしょうゆのソフトクリームなどを提供する。直売店では各しょうゆ製品のほか、同店限定の粉末状の「しょうゆパウダー」や加工品なども販売する。
工場見学はルートを30年ぶりにリニューアル。「麹(こうじ)蔵」や「仕込み蔵」などを巡回し、実際にしょうゆのもととなる醪(もろみ)をかくはんする体験なども行いながら、製法や発酵について学ぶことができる。
敷地内には休憩したり遊んだりできる広場も併設。レンタルの電動自転車5台が用意され、同施設を起点に川島町や川越市などを周遊することも可能だ。
開業に先立ち、13日に行われた内覧会で笛木吉五郎社長(39)は「亡くなった父がしょうゆのおいしさを伝えるうどん屋をやりたい、そして工場見学を通してしょうゆの魅力を伝えたいという夢を抱いていた。父の夢と、体験型の『こと消費』を融合させたこの施設で、みなの笑顔をつないでいきたい」と意欲を語った。
初年度は約1万人の来客数を目指す。16日は午前10時からオープニングセレモニーを開催する。