埼玉新聞

 

野外のこたつで読書、新しい図書館の使い方を提案 美里で「森なか図書館」、テントの中で読み聞かせも

  • こたつで暖まりながら野外で読書を楽しむ人たち=美里町の遺跡の森総合公園

 美里町の遺跡の森総合公園で、新しい図書館の使い方を提案する森の図書館「森なか図書館2019」が行われた。子どもや保護者など約30人が訪れ、野外に設けられたテントの中やこたつに入って本を読むなど、新しい図書館の在り方を体感していた。

 県と市町村で構成する「彩の国さいたま人づくり広域連合」の主催。県や市町村職員などが研究員になって県内の地域課題の解決に向けて政策研究し、その内容を提案している。

 本年度のテーマは「公共空間の利活用」。研究員16人のうち一人が美里町に関心を持っていて、図書館職員からヒアリングを実施。図書館の利用率が伸びず、子どもたちから人気のある本でも、町外の図書館に貸し出していることを知った。図書館の窓から周りの景色が眺められるよう本棚を低くしていることを知り、利活用の可能性のある図書館とみて研究してきた。

 この日は社会実験で、館内の本を利用して謎解きをするゲームを実施。野外の「こどもひろば」ではこたつに入って読書をしたり、テントの中で母親が子どもに読み聞かせをしたりしていた。

 同連合の中本隆彦主幹は「本を野外で読む場の提供ができて良かった。ほかの地域でも参考にしてもらい、公共空間の新しい利用法を考えてもらいたい」と話していた。

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