埼玉新聞

 

<台風19号>さいたま市管理の排水ポンプ、水没し停止 「経験越えた雨」市、制御盤を高い場所へ

  • さいたま市役所=さいたま市浦和区常盤

 さいたま市桜区を流れる油面川と鴻沼川にある市管理の二つの排水ポンプが10月12日の台風19号で水没し、停止していたことが分かった。水位の急激な上昇により、ポンプに設置していた電気で動く制御盤が浸水した。過去に排水ポンプの制御盤が水没した例はほとんどなかったという。

 市河川課によると、台風19号の接近時に、鴨川の支流の油面川の水位が急激に上がり、高さ約90センチに設置された制御盤が12日午後7時半ごろに浸水。多くの水を鴨川に排水しきれなくなった。同じく、鴻沼川沿いに設置された制御盤も午後11時半ごろ、水に漬かり動かなくなったという。

 市防災課のまとめでは、桜区では市全体の約8割になる731件の床上浸水、約7割の237件の床下浸水(11月5日正午現在)があり、同区桜田の浦和中央青果市場でも、多くの商品が水に漬かるなどの被害が出た。

 河川課は「ポンプの制御盤が水没することはなかった。今までの経験を越えた雨の量だった」としている。

 今後への対策として同課は、本年度中をめどに早急に制御盤をさらに高い場所へ設置することを検討しているという。

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