埼玉県熊谷市筑波のJR熊谷駅前にある「中華飯店　李家（リーチャー）」。1987年7月にオープンし、昨年で35周年を迎えた。店主の松本常昌さん（60）は「振り返ってみると、本当にあっという間だった」と話す。

　松本さんは同市出身。実家は今の店と同じ場所で大衆食堂だったことから、県立深谷第一高校を卒業後、東京都の調理師専門学校へ。都内の中華料理店で3年間修業し、沖縄県の中華料理店で約1年半働いた後、熊谷に戻ってきた。店名は、沖縄で働いていた店が「李家」だったことにちなんでいる。

　開店当初はバブル景気だったが、苦戦続き。少しずつ人気が広がり、幅広い年代の地域住民から愛されるようになった。ボリューム満点が売りで、人気の回鍋肉（ホイコーロー）は京都のみそを使用して甘めに仕上げ、ご飯との相性ぴったり。最近では、同市を活動拠点とするラグビーリーグワンの「埼玉パナソニックワイルドナイツ」のファンも試合後に寄るようになった。

　コロナ禍では満足に営業できず、苦しい日々が続いた。そんな時に力になってくれたのが常連客たち。テイクアウトを注文してくれ、厳しい局面を乗り越えられた。「気持ち的には本当にありがたかった。地元の人に支えられ、今までやってこられた」

　手作りにこだわって厨房（ちゅうぼう）に立ち続けてきたが、自分や妻美幸さん（61）の体調のことも考え、来週から週1回の休みを週2回に増やすという。「これまで支えてもらった分、少しでも店を長く続けていきたい。お客さんが喜ぶ顔を見ると、やっぱりうれしいからね」と話した。

【主な人気メニュー】ごはん定食のAセット（回鍋肉）830円、Bセット（酢豚）830円、麺定食のCセット（しょうゆラーメン＋シューマイ）830円、ごはん・麺定食のSセット（塩ラーメン＋回鍋肉丼）900円、STセット（担々麺＋回鍋肉丼）950円など。

【メモ】李家（リーチャー）　熊谷市筑波2の99（電話048・525・7553）。営業時間はランチタイムが午前11時半～午後2時、ディナーが午後5時半～同10時。定休日は火曜だったが、12日からは月曜も休みになる。アクセスはJR熊谷駅北口から徒歩2分。