埼玉新聞

 

<大宮刺殺>男が交際女性への殺意否認「目撃者にタックルされ包丁が女性に」 直前にネットで「殺す」検索

  • さいたま地方裁判所=さいたま市浦和区高砂

 さいたま市大宮区のビル内で1月、交際相手の女性会社員=当時(22)=を殺害したとして、殺人と銃刀法違反の罪に問われた元前橋市職員の男(26)の裁判員裁判の初公判が19日、さいたま地裁(北村和裁判長)で開かれた。男は「殺意はありませんでした」と殺人罪について否認。弁護側は傷害致死罪の成立を主張した。

 冒頭陳述で検察側は、「女性に別れを告げられ、一方的に恨みを募らせた」と指摘。自ら包丁を持ち出している点や犯行直前に「包丁」「殺す」などとインターネットで検索した履歴があることなどから、「強い殺意に基づき計画的。一方的かつ執拗(しつよう)な犯行」と強調した。

 弁護側は、女性の勤務先に行ったのは「2人で話し合うためだった」と主張。「包丁を取り出した際に目撃者にタックルされて倒れ込み、包丁が女性に当たってしまった」と殺意を否認し、傷害致死罪が成立するとした。

 起訴状などによると、男は1月23日午後6時ごろ、さいたま市大宮区のビル5階の廊下で、春日部市の女性の首を手で絞めて、包丁で首や鎖骨付近を刺して殺害したなどとされる。

 昨年9月、女性の父親が「娘が暴力を振るわれている」と春日部署に相談。同署は男に口頭で警告をしていた。父親は事件前日に男の暴力について相談し、事件当日には女性も同行して被害届を出す予定だった。

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