松屋フーズ、冷凍パック食材を災害時提供へ 志木市と全国初の協定 牛めし、カレーなど最大100万食を用意
2023/06/09/18:32
志木市は、災害発生時に避難所などに牛めしやカレーなどの冷凍パックの食材を供給する「災害時における食料供給等の協力に関する協定」を牛丼チェーン「松屋フーズ」(東京都武蔵野市、瓦葺一利社長)と締結した。同社は工場などを設置している東京都練馬区、静岡県富士宮市の2自治体と災害発生時にサラダやキムチなどを供給する協定を締結しているが、自治体と災害時に冷凍パックの食材を提供する協定は初めてという。
協定などによると、災害時に市民生活の早期安定を図るのが目的。原則、市が災害対策本部を設置し、供給を要請した時に発動する。市の要請を受けた同社は食材の優先供給に積極的に協力する。提供食材は牛めし(500円)やカレー(400円)などの冷凍パックで最大100万食。
食材の運搬は市または市が指定した業者などが実施するが、市から依頼を受けた場合、同社は最大限協力する。提供した食材費と同社が実施した運搬費は市が負担する。協定は締結日から効力を発効されるが、両者の一方が文書で終了を通知しない限り、継続される。
同社は志木市内に倉庫を所持する物流会社に冷凍食材のネット通販の発送業務を委託しており、この物流会社の仲介により、両者が災害時に冷凍食材を供給する協定を締結する運びとなった。
この日、志木市役所で締結式が行われ、同市の香川武文市長は「小、中学校計12校を避難所に指定しているなどのハード面に対し、ソフト面に新たな協力者が加わった」と期待を寄せた。同社の安藤吉信取締役執行役員は「冷凍パックは通販で多くの支持を受けており、協定は地域密着型を目指す弊社にマッチした取り組み」と話した。