埼玉新聞

 

新所沢パルコ、今も月40万人の客 80テナント入り23日で40周年 来年2月の閉店を前に“恩返し”企画へ

  • 開館40周年を迎える新所沢パルコ=7日午後、所沢市緑町1丁目

    開館40周年を迎える新所沢パルコ=7日午後、所沢市緑町1丁目

  • ニッパシさんのキービジュアルを取り入れたクリアファイル(新所沢パルコ提供)

    ニッパシさんのキービジュアルを取り入れたクリアファイル(新所沢パルコ提供)

  • 開館40周年を迎える新所沢パルコ=7日午後、所沢市緑町1丁目
  • ニッパシさんのキービジュアルを取り入れたクリアファイル(新所沢パルコ提供)

 所沢市緑町1丁目の大型商業施設「新所沢パルコ」が、23日で40周年を迎える。2024年2月29日の閉店を前にした中で刻む、節目の時だ。アーチ形のデザインが連なる特徴的なたたずまいは、地域の文化発信の役割も担ってきた。同店は「しんとこパルコの恩返し」をテーマに企画を展開し、40年間の感謝を伝えるとしている。

 旧セゾングループの新所沢パルコは1983年6月23日、西武新宿線の新所沢駅西口にオープン。店舗面積は約3・9ヘクタールで、衣料品や食料品などを取り扱ってきた。今後の収益増が見込めず施設も老朽化していることなどから、閉店が決まっている。現在はJ・フロントリテイリングの傘下にある。

 建物は地下1階地上5階の「パルコ館」と、地下1階地上4階の「レッツ館」からなる。建物の随所にはアーチ形のデザインが連続的にあしらわれており、両館の間にあるアーケード状の通りは「ガレリア」と呼ばれている。レッツ館には三つのスクリーンを備えた映画館「新所沢レッツシネパーク」が置かれ、数々の新作映画を上映してきた。

 開館40周年に当たって同店は、ドイツと日本を拠点に活動するイラストレーターのニッパシさんによる「キービジュアル」を制作した。新所沢パルコに集う人々やテナントなどを豊かな色彩で表現した作品で、クリアファイルや缶バッジなどのグッズに取り入れる。ニッパシさんは「私は幼少期から、新所沢PARCO(パルコ)で様々なカルチャーを吸収していました」とし、「ルーツである場所のイラストを描くことができ、本当に感無量です」などとコメントしている。

 特徴的な建物を改めて見てほしいと、6月23日からはガレリアに傘を並べる「アンブレラスカイ」を始める。同24日には市主催の「まちなかコンサート」を開き、9月と24年2月には「彩の国マルシェ」や「とこロコ!!マルシェ」で盛り上げる。

 また経済アナリストの森永卓郎さんが集めてきた、菓子の「おまけ」などの一部の展示を24年2月に予定している。

 新所沢パルコの現在の来店者は1カ月当たり約40万人で、約80のテナントが入っている。

 同店の担当者は「他のパルコに比べどの年代でも入りやすく、生活の一部のようになっていた店舗」と語り、「まずは40年間にわたり支えてもらった感謝を伝えたい。40周年を盛り上げた後は閉店まで恩返しをしていきたい」と話している。
 

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