埼玉新聞

 

認知症、温かく支えて 絵本の読み聞かせや寸劇、本庄市が園児向けに認知症サポーター養成講座

  • 絵本の読み聞かせで認知症を理解する子どもたち=本庄市立久美塚保育所

 本庄市は市内保育園・保育所計4カ所で「認知症サポーター養成講座(幼児版)」に取り組んでいる。対象は年長児で認知症の理解に役立つ絵本の読み聞かせや寸劇を通して、認知症の人が間違っていても「違う」と言わないことや、怒ったりせずに仲良くすることを学んでいる。市によると、園児に向けた認知症講座は全国的にも珍しいという。

 市が2017年度に保育士対象の講座を行ったところ、「子どもたちにも優しい心を持ってもらって高齢者と接してもらいたい」と保育士から要望があり、園児対象の講座に取り組んだ。

 3回目となる講座は市立久美塚保育所(根岸和子所長)で行われた。講師を務めた女性は「認知症という言葉を聞いたことがありますか」と年長児26人に質問し、「頭の中が病気になって忘れる事が多くなって名前やちょっと前のことも忘れてしまいます」と説明。「困っている人がいたら優しく話してあげようね」と園児に声を掛けていた。

 認知症サポーター証が配られた園児は「『そうだね』っておばちゃんに言います」「優しくする」「笑顔にすればいい」と話していた。

 市高齢者包括支援係の田畑知香子係長は「たくさんの世代の人に認知症について理解をして頂き、皆さんと一緒に温かく支えて行くことを広めていきたい」と話している。

 市は14年度から市民を、16年度から中学1年生を対象に認知症サポーター養成講座を実施。本年度は昨年12月末現在、市民10団体、私立を含め2中学校で講座を開き、2月にも1中学校で行う予定。

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