病死者の遺族から現金82万円だまし取る 地裁、元草加署巡査に執行猶予付き判決「警察官の立場悪用」
2019/02/05/00:00
職務上で取り扱った病死者の遺族から現金約82万円をだまし取るなどしたとして、詐欺と詐欺未遂の罪に問われた春日部市内牧、元草加署刑事課巡査(22)の判決公判が4日、さいたま地裁で開かれ、結城剛行裁判官は懲役2年6月、執行猶予4年(求刑・懲役3年)を言い渡した。
判決理由で結城裁判官は「警察官の立場を悪用して詐欺行為に及んでおり態様が悪い。だまし取った金額も多額で、詐欺事案の中でも重い部類に入る」と指摘。一方で被害者との示談が成立していることなどから、「社会での更生の機会を与えることが相当」として執行猶予付き判決を言い渡した。
初公判で元巡査は起訴内容を認め、検察側は「被害者の預金残高を知り、医師だけでなく警察にも金銭を支払う必要があると言えば金をだまし取れると考えた。だまし取った金銭は飲食代やゲームなどの遊興費に使っていた」として懲役3年を求めていた。
判決などによると、元巡査は昨年9月27日、草加署の警察官として病死した男性=当時(82)=の死因の調査などの業務に当たっていた際、男性の長女に「死体検案書」の交付などについて費用がかかるとうそを言って、同署ロビーで長女から現金約82万円をだまし取り、同年10月18日には、同様の名目でさらに長女から現金200万円をだまし取ろうとした。