埼玉新聞

 

SKE48支えた松村香織さん卒業コンで涙 地元埼玉で花道 最後に粉まみれの悲劇も「悔いありません!」

  • 地元埼玉で卒業コンサートを開催した松村香織さん(和光市出身)=5日、さいたま市大宮区の大宮ソニックシティ大ホール(C)AKS

 和光市出身で地元の「和光市応援団長」を務める、アイドルグループSKE48の松村香織さんの卒業コンサートが5日、さいたま市大宮区の大宮ソニックシティ大ホールで開催された。約2500人のファンが地元埼玉での凱旋公演を見届けた。(森本勝利)

■セットリストは松村さん考案「悔いなくやりきる」

 赤、緑、白の推しサイリウムが揺れる中、松村さんは「卒業コンサート行くぞ!」と気合い十分で登場。ソロ曲『マツムラブ!』でスタートすると、観客は割れんばかりの「かおたん」コールで応えた。

 所属するチームKIIでの『回遊魚のキャパシティ』に続き、3曲目の『チームかおたん推し』では、メンバーが松村さんとのエピソードを披露し会場の笑いを誘った。

 この日のセットリスト(曲目)は松村さん自ら考案。「悔いのないようにやりきりたい」と意気込んだ。

■ファンに感謝を伝えたユニットコーナー

 ユニットコーナーでは、若手メンバーが『オキドキ』『キスだって左利き』『意外にマンゴー』といったグループの代表曲をパフォーマンス。松村さんは観客席に登場し感謝の思いを直接ファンに伝えた。

 埼玉出身の惣田紗莉渚さんとは『チャイムはLOVE SONG』を歌った。惣田さんは「香織さん大好きです。ぜひ結婚式に呼んでください」と打ち明けると「ご祝儀は5万円ね」と言われ、思わず面を食らった様子だった。

 そして同期の須田亜香里さんとは、ユニット曲『ここで一発』を披露したほか、ダンスナンバー『Escape』では、松井珠理奈さんとダンス対決に挑戦するが、見事に完敗。息も絶え絶えの中、「やっぱり珠理奈には勝てない」という言葉を残し袖にはけていった。

■『思い出のほとんど』で思わず涙

 笑顔あふれる演出でライブは進んだが、卒業コンサートの定番曲『思い出のほとんど』で雰囲気が一変。会場が卒業を惜しむ空気に包み込まれた。

 メンバーが思いを込めて歌唱する中、卒業生の金子栞さん(埼玉出身)、出口陽さんらも駆けつけ門出を祝福した。金子さんは松村さんと寮生活をともに過ごした仲間、出口さんは松村さんの辛い時期を支えた良き理解者のひとり。自身にとって大きな存在である2人の登場に、我慢していた涙が思わずこぼれた。

 そして『前のめり』『夏よ、急げ!』『コケティッシュ渋滞中』といった自身の選抜曲を披露。須田さんからは「同期の中で唯一、自分の名前がついた卒業コンサートを開いてもらえるような人になったことを嬉しく思う。諦めなければ夢は叶うと教えてくれた存在だった」と語った。

 最後は「グループ活動の転機となった」と振り返る思い出の楽曲で、2012年にSNS「Google+」(通称ぐぐたす)で活躍したメンバーによって選ばれた「ぐぐたす選抜」の曲『ぐぐたすの空』を歌唱し本編が終了した。

■感動のフィナーレと思いきや…

 アンコール1曲目でソロ曲『ありがとうは言いたくない』を歌唱。会場はファン主導の企画でSKE48の「推しサイリウム」の文化を作ったと言われる松村さんに敬意を表し、赤、緑、白のサイリウムで客席が埋め尽くされた。

 3曲目の『アリガトウ』では、オレンジのサイリウム一色でまさに感動のフィナーレとなった。「地元埼玉で卒業コンサートができて嬉しく思う。問題も起こしたし、スタッフさんとも喧嘩をしたけど、いまは本当にSKE48に感謝してます」と思いを述べた。

 しかし最後に悲劇が。突然、落とし穴に落下し、ドレスともども粉まみれとなった。松村さんは「聞いてない」と半ばあきれ顔。それでも「これでこそ松村香織のコンサート。悔いはありません!」と笑顔であいさつ。コンサートのサブタイトル「これで終わると思うなよ?」にふさわしい大どんでん返しの演出で、笑いあり、涙ありの松村さんらしい卒コンは幕を閉じた。なお最終活動日は4月末を予定している。

=埼玉新聞WEB版=

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