埼玉新聞

 

三芳の子ども食堂に「野菜嫌い克服ドーナツ」提供、筑波大付属坂戸高の生徒ら 鶴ケ島の子ども食堂でも貢献

  • 筑波大付属坂戸高校の女子生徒からオレンジカリフラワーを素材に作った野菜スイーツ「ドーナツ」を順番に受け取る子供たち=三芳町藤久保の「三好おなかま子ども食堂」

 子どもたちの野菜嫌いを少しでも減らしていこうと、筑波大付属坂戸高校(坂戸市千代田)の女子生徒らが21日、三芳町藤久保の子ども食堂「三芳おなかま子ども食堂」(NPO法人「れでぃばーど」運営)で、オレンジカリフラワーを素材にしたスイーツ「ドーナツ」を調理し、子どもたちに提供した。

 子どもたちは「普通のドーナツよりおいしい」「これなら食べられる」と顔をほころばせていた。

 スイーツを調理、提供したのは、いずれも同校2年生の佐々木瑞生さん、久岡桃子さん、青木胡桃さん、荒田萌華さんの4人。

 4人は同校の校外学習の一環で、生徒が自主的にテーマを決めて課題に取り組むプロジェクト「なくそう好き嫌い。あげよう栄養素」を立ち上げ、小学生らの野菜嫌いを無くすイベントを実施。昨年秋は鶴ケ島市の子ども食堂でナスなどを素材にしたスイーツを子供たちに提供し、学校に報告書を提出している。

 この日のスイーツ作りは県福祉部の仲介で、三芳おなかま子ども食堂が協力するとともに、JAいるま野がふじみ野市の農家で収穫されたオレンジカリフラワーを提供した。オレンジカリフラワーは同食堂を利用する子どもたちへの事前アンケートで苦手野菜として挙げられていた。

 女子生徒4人は同日午後5時ごろから準備されたホットケーキミックスやヨーグルト、卵などを撹拌(かくはん)し、細かく刻んだオレンジカリフラワーを混ぜて、ゴルフボール大に成型。てんぷら粉を付けて油で揚げた。出来上がったドーナツは一列に並んだ子どもたちに一つずつ手渡した。

 三芳小学校3年の男子児童は「普通のドーナツよりおいしい」、三芳東中学2年の女子生徒は「今まで苦手だったが、思っていたカリフラワーとは違ってとてもおいしい。これなら食べられます」と喜んだ。

 スイーツを提供した久岡さんは「自分たちの作ったものを『おいしい』と食べてくれることが喜びであり、食材の好き嫌いは大人になってからも続くもので、小さい時に変えられればと思っています。苦手意識がなくなる方向づけに関われてうれしいです」と話していた。

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