埼玉新聞

 

<新型肺炎>川口市、注意呼び掛ける文書張り出し 芝園団地・事務所に消毒液、不安がらずに安全対策

  • 新型肺炎への警戒を呼び掛ける、日本語と中国語の文書を張る保健所職員=24日午後4時ごろ、川口市の西川口駅

 中国・武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大している。国内で2人目の患者が確認された24日、川口市は注意を呼び掛ける文書を駅構内などに張り出した。中国人が多く住む同市の芝園団地の住民らは落ち着いた様子。自治会の事務所に消毒液を置いたが、自治会長は不安がらずに「安全な対策を練っていきたい」と話した。

 芝園団地は全住民約2500人のうち、中国人の比率が半数以上を占め、団地内の商店街には中国系の飲食店などが並んでいる。

 団地内で、多国籍の園児を受け入れている私立保育園の中国籍の男性園長(27)は「ニュースを聞いた時は同じ国の仲間と、その話題で持ち切りになった。初めて聞いた病名だったので驚いた」と話した。一方で、「日本で起きているわけではないから、心配することではない。身近に武漢市出身の人はいないし、春節に中国に帰国する人は、ほとんどいない」と落ち着いた様子だった。

 団地自治会の真下徹也会長(82)によると、今のところ、中国籍の住民らから新型肺炎問題に関する相談や報告は受けていない。新型肺炎に関する報道後、事務所内に消毒液を置いた。真下会長は「あまり身構えてしまっては、住人に不安を与えてしまう。今後、問題が大きくなれば、市と連携しながら安全な対策を練っていきたい」と話した。

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