埼玉新聞

 

駅ホームからの転落防止をサポート 県や東武鉄道と連携、杉戸町と宮代町が視覚障害者への声掛け講習会

  • 点字ブロック上を確認しながら恐る恐る歩く参加者

 杉戸町と宮代町は23日、県や東武鉄道と連携し、視覚障害者の駅ホームからの転落を防止するため、声掛けサポート講習会を開催した。講習会には、約20人が参加。参加者らは、座学や実地体験を通し、積極的な声掛けの必要性を実感していた。

 講義では、駅ホームで声掛けをする場合、まず相手に近づいて声掛けをし、ガイドが必要かを確認。必要な場合、どのような方法が良いかを確認し、サポート後も黙ってその場を離れないことが基本、と説明。県視覚障害者福祉協会の岡村淳子理事は「視覚障害者は、白杖一本で緊張して歩いている。急に声を掛けられるとびっくりしてしまうので、正面から『何かお手伝いできることはありますか』と声掛けしていただけるとありがたい」とし、「点字ブロック上での立ち話や歩きスマホは、歩行が遮断され方向を見失うのでやめてほしい」と要望した。

 講義後は、東武鉄道の東武動物公園駅で、2人1組となり駅ホームで疑似体験をした。アイマスク着用者は、誘導者に導かれながら恐る恐る歩き、見えない状態での歩行の怖さを体感。杉戸町の藤田康子さん(66)は「見えないのは不安。サポートがあるから歩けたが、一人では歩けない」と感想を語った。

 また宮代町の田添秀一さん(69)は「講義でホーム転落の状況などを説明をしてもらい、声掛けの必要性が良く分かった」と話していた。

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