埼玉新聞

 

“踊るヨガ”で日本人最年少の小学生プロダンサー始動 埼玉在住「公演する機会を作りたい」

  • 華やかな衣装、くっきりとした化粧、輝くアクセサリーを着けて踊る富安カナメさん

 インド古典舞踊「バラタナティアム」の日本人最年少プロダンサーで県南西部に住む富安カナメさん(11)が日本での活動を始めた。1月20日には、さいたま市中央区の路地裏ガレージで公演。華やかな衣装とくっきりとした舞台化粧が目の力を際立たせ、軽やかで、時に妖艶な踊りが観客を魅了した。

 父親の仕事の都合で4歳から6年間、インドの首都デリーに滞在したカナメさんは、治安や気候上、自由に外出ができないため、運動になればと母親の敦子さんに勧められ、バラタナティアムを始めた。「バレエやフィギュアスケートも習ったが、本場の恩恵を受けられるバラタナティアムは学べる環境が整っていた」と敦子さんは語る。カナメさんが8歳から師事したグルジー(師匠)のグル・サロジャ・ヴァイディヤナタンさんは、北インド最大のバラタナティアムの学校「ガネーサ・ナティアラヤ」の創設者で世界的にも活躍している。

 裸足を床に打ち付ける激しいステップが特徴の同舞踊。中腰の姿勢で全身、指先まで使い、表情豊かに踊るさまは「踊るヨガ」ともいわれる。敦子さんは「足腰や体幹が相当鍛えられる。私が挑戦したらひざを痛めた」と笑う。

 カナメさんは昨年9月、デリーでプロデビュー。一般的には6~7歳から習い始め、10年ほど修行してから挑戦することが多い中、カナメさんの11歳はインドでも最年少の部類に入る。

 昨年4月、帰国後はネットを使いオンラインでレッスンを受けている。敦子さんは今後の活動について「若い世代にインドのことを知ってもらい、同世代でも一つのことを極めプロになることもできる、という可能性を知り世界を広げてもらいたい。小中学校などで公演する機会を作っていきたい」と話す。カナメさんは「踊りを覚えるのは大変だけど、奇麗な衣装で化粧をして舞台で踊るのが楽しい。これからも続けていきたい」と話す。

ツイート シェア シェア