「埼玉の女性、創業実績が非常に高い」プチ起業しませんか 上尾でセミナー、女性38人が学ぶ
「女性のためのプチ起業のはじめ方セミナーin上尾」が上尾市八津のプラザ22で開かれ、起業に興味のある女性たちが「一歩踏み出す前に考えるヒント」を学んだ。
参加したのは20~60代の市内外の女性38人。講師は創業・ベンチャー支援センター埼玉の女性創業支援アドバイザーで中小企業診断士の森尚子さん。「今日の目標は『さあ起業しよう』ではなく『起業の準備をしよう』です」と言い、まずは起業についての基礎知識を説明した。
プチ起業は「扶養の範囲内で事業を興す」こと。例えば個人でサロンを開く、フリーでウェブデザイナーをするなど。森さんはさまざまなパターンを紹介し、参加者に起業イメージを具体化させた。
成功のポイントについては(1)起業の動機、目的(2)今何が自分にできるか(3)それは誰にとって価値があるのか(4)実際どれくらい売れるのか(5)資金は(6)融資は―の順番で考えていこうと提案。
「何のために起業するのかをまず明確に。生活費を稼ぐのか自己実現なのか在宅ワークをしたいのか。実務経験や趣味、特技など自分の棚卸しをしましょう」。マーケティングの必要性や販売計画の作成を進め、融資を受ける場合は創業計画書の作成が必須となることも説明した。
その後、実際にビジネスプランを作成するミニワークを実施。「自分の頭の整理や他人に見せて協力を求めるためにも必要なので、今から書き始めて継続的に見直しましょう」と森さん。参加者はそれぞれが思い描く起業の計画を立て、グループで発表し合った。
上尾市周辺でフィットネスのスタジオを開きたいという大滝智子さん(47)は「身近で少人数のレッスンができる場所を今年中には開業したい。今は協力者を探している」と話した。来日して28年という中国人の石川敏楓さん(48)は「空き家を中国の富裕層のセカンドハウスとして提供する不動産ビジネスをしたい」と夢を語った。
創業・ベンチャー支援センター埼玉によると2018年度の起業相談件数は2934件でそのうち56・8%が女性。実際に創業した人が207人で、女性は93人と半数近くに上った。
同センター創業支援グループの倉崎哲雄グループリーダーは「全国の開業者のうち女性の割合は2割に満たないので、埼玉県の女性たちの創業実績は非常に高い」と話している。