埼玉新聞

 

人気ベーグル屋「n・t・bagel」、店舗なくても評判 販売会を開催、ネットでも リピーター増え続ける味

  • ベーグルを販売する常名咲香さん=熊谷市柿沼の「HIKI CAFE」

    ベーグルを販売する常名咲香さん=熊谷市柿沼の「HIKI CAFE」

  • ベーグルを販売する常名咲香さん=熊谷市柿沼の「HIKI CAFE」

 熊谷市原島でベーグルを作る「n・t・bagel」。店舗は持たず、同市柿沼にある「HIKI CAFE」で第2、4火曜に販売会を開催したり、オンラインショップなどで販売を行っている。今年1月から営業を開始した常名(じょうな)咲香さん(32)は「今はパン作りが本当に楽しい」と笑顔を見せる。

 常名さんは秩父市出身。県立秩父農工科学高校を経て、秩父看護専門学校を卒業した。23歳の時に第1子となる長女を出産後、離乳食が始まった時に自分でパンを作ってみることに。熊谷産米こうじから天然酵母を作り、米こうじ酵母と国産小麦でベーグルを手がけるようになった。プレゼントした知人などから評判を呼び、事業展開することしたという。

 「子育て中の人も安心して子どもと一緒に食べてほしい」とベーグルは子どもでも食べやすい大きさで、小ぶりのサイズ。熊谷の野菜や果物を使用した商品も用意する。食べてみると、外はパリッとしているが、中はむっちりとした食感。一度味わってみると、リピーターになる人が多いというのもうなずける味だ。

 現在は小学3年生と同1年生、年中の3人の子どもを育てる母親でもある。子どもたちの不在時を見計らって、風味や香りが豊かなベーグルを作る。看護師として働いていた時は多忙を極めたが、現在は自分のペースで新たな仕事に励んでいる。「今はパンを成形している時が何より楽しい」と充実した様子で語る。

 7月からは市内の農産物直売所のふれあいセンター箱田店や同妻沼店でも委託販売が始まり、徐々に販路を拡大している。「いつかはお店を持ちたいけど、今の働き方は融通が利くので、子育てをしながらこのまま続けていければ」と話していた。
 

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