埼玉新聞

 

<新型肺炎>マスク求める客が急増 すでに品薄の店、再入荷の見通し立たず すぐ売れるマスクの傾向は

  • 品薄状態の陳列棚でマスクを選ぶ客=29日、さいたま市浦和区のヤオコー浦和上木崎店

 新型コロナウイルスによる肺炎が拡大する中、県内のスーパーやドラッグストアには感染予防のためのマスクを買い求める客が急増している。店舗は購入時の個数制限を設けるなど対応に追われているが、既に品薄状態の店舗もあり、再入荷の見通しも立っていないという。

 「用意しておいた方が安心だと思って、いくつか店を回ったがどこも品薄だった」。ヤオコー浦和上木崎店のマスク売り場、個数制限をお願いする張り紙の前で60代の主婦がたたずんでいた。

 電車通勤する孫のためにマスクを買いに来たという浦和区の主婦(72)も「いつも買っているものが売り切れだった」と話し、在庫の残る別のマスクを購入した。

 ヤオコー全店では、28日からマスクの購入制限を実施。同店でも「1人2点まで」の個数制限を設けているが、前年同期比約140%の売れ行きだという。同店の野平孝一店長は「発注した個数が納品されるかも分からない状況」と懸念。「少しでも多くの人が購入できるように対応していきたい」と話す。

 マツモトキヨシ浦和上木崎店では、売り切れの商品もあり、現時点では再入荷のめどが立っていないという。同店では先週末から購入客が増え始め、国内感染者の報道後、電話での問い合わせも増加。

 枚数の多い大容量の商品や成人男性用の大きめのサイズのものから売れていく傾向にあり、マスク以外にも空間の菌を除去するものやハンドジェルなど除菌グッズを購入する客の姿も目立つという。

 同店の担当者は「インフルエンザや花粉対策で例年マスクの需要が高まる時期だが、今年は新型ウイルスの予防も重なり、例年の2倍以上の売り上げになっている」と話し、対応に追われていた。

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