埼玉新聞

 

倒れた男性…塾講師、反射的に動き事故から守る 高校生もスマホで交通誘導「男児ひき逃げ思い出した」

  • 鎌田政由喜署長(右)から感謝状を受け取った福田惇貴さん(左)と渡谷涼さん=3日午前、深谷署

 路上に倒れていた男性を発見し、交通事故を未然に防いだとして、深谷署は3日、深谷市の塾講師福田惇貴さん(26)と熊谷市内の県立高校3年生渡谷涼さん(18)に感謝状を贈った。

 同署によると1月16日午後9時ごろ、深谷市稲荷町の市道で、車で帰宅途中だった福田さんが路上に倒れている男性(62)を発見。停車して声を掛けたが反応がなかったため、近くを通り掛かった渡谷さんに110番を依頼した。2人は消防や警察が到着するまでの間、スマートフォンのライトを点灯して、通行する車に危険を伝えるなど男性の安全を確保。交通事故を未然に防いだ。男性はけがもなく、その後、帰宅した。

 男性を発見した福田さんは、熊谷市で2009年に小4男児が死亡した未解決のひき逃げ事件が頭に浮かんだという。「反射的に体が動いた。同じような事故が起こってほしくないと思っていたので、不自然なことがあれば110番することが大事だと思う」と話した。

 渡谷さんは「光があれば通行する車に気付いてもらえると思い、携帯のライトを使った。助かって良かった」とほっとした表情だった。

 同署の鎌田政由喜署長は「重大事故になる前に尊い命を助けていただき、連携に感謝したい」とたたえた。

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