埼玉新聞

 

ファミマ店員、客に買い物させず…詐欺阻止 店員は外国籍、勇気出し日本語で説得 客激怒も状況理解しお礼

  • 橋本昭文署長から感謝状を贈られたティミルシナ・ナムラタさん(左)=19日、浦和署(同署提供)

    橋本昭文署長から感謝状を贈られたティミルシナ・ナムラタさん(左)=19日、浦和署(同署提供)

  • 橋本昭文署長から感謝状を贈られたティミルシナ・ナムラタさん(左)=19日、浦和署(同署提供)

 電子マネーを買いに来た高齢女性に声をかけ、架空請求被害を未然に防いだとして、埼玉県警浦和署は、「ファミリーマート北浦和東口駅前店」アルバイトで、ネパール国籍のティミルシナ・ナムラタさん(30)=さいたま市浦和区=に感謝状を贈呈した。

 署によると、7月4日午後3時半ごろ、来店した70代女性がティミルシナさんに電子マネー1万円分を購入したいと申し立てた。詳しく事情を聴くと「携帯電話のメッセージに投資で20万円が手に入ると表示された」などと答えたため、架空請求詐欺を疑い販売を中止して110番した。

 当時、店内にはティミルシナさん1人。電子マネーの購入額が1万円だったことで声をかけるか迷ったという。それでも「1万円でも詐欺は防がなきゃと、勇気を出した」と日本語で話しかけた。

 最初は電子マネーを売ってくれないことで女性は怒っていたというが「結果として(架空請求)詐欺だったので、本当に声をかけて良かった」。最後はお礼を言われたという。

 ティミルシナさんは来日約10年。流ちょうな日本語で優しく声をかけたことが実を結んだ。橋本昭文署長は「まさに他人を思いやることのできる大和なでしこの心を持った女性です」と賛辞を贈った。
 

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