埼玉新聞

 

4日間で延べ2167人に…無料で診察、手術も 入間の梱包材メーカー、フィリピンで「恩返し」の医療支援

  • 島に開設した簡易の医療施設で患者を治療する医師(カネパッケージ提供)

    島に開設した簡易の医療施設で患者を治療する医師(カネパッケージ提供)

  • 島に開設した簡易の医療施設で患者を治療する医師(カネパッケージ提供)

 梱包材メーカーのカネパッケージ(埼玉県入間市)は、フィリピンの医療施設のない島などで医療支援を行った。同社は企業の社会的責任(CSR)活動として同社の現地法人のあるフィリピンでマングローブの植樹活動をしているが、活動に協力してくれる地域社会や住民への恩返しとして、4日間で延べ2167人に無料で医療サービスを提供した。

 同社は2009年からフィリピンでマングローブの植樹活動を行い、環境保全活動に取り組んでいる。植樹をする島では医療施設のない地域もあることから、同国の医師ボランティア団体「Medicspedition(メディックスペディション)」とパートナーシップを締結した。同団体は「特に恵まれない人々に奉仕を」を掲げ、世界中で活躍する団体で、所属する医師や看護師など医療従事者45人が医療器具や薬品を積んだボートで、オランゴ島やマクタン島ラプラプ市、バナコン島を訪問した。

 町の集会所を借りて簡易の医療施設を開設し、内科などの診察をはじめ、処方薬の無料提供や局所麻酔で対応できる手術も行った。同社の関連会社である医療機器メーカーの三幸製作所(さいたま市西区)と興伸工業(上尾市)の医療機器も活用した。

 金坂良一社長は「植樹の活動を手伝ってくれる現地の人々に恩返しをしたいと思っていた。一本のマングローブから始まった活動が、人々をつなげていく大きな輪に広がった」と話している。

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