シンボルの巨大水車、チェーンソーで解体…人々が見守る 寄居・県立川の博物館、日本一の座を再び狙う
2019/02/08/00:00
寄居町小園の県立川の博物館のシンボル、大水車の解体作業が始まった。木製水車日本一の座を再び目指して、建て替えられる。解体工事見学会が5日、3回に分けて行われ、来観者らが老朽化で取り壊される巨大水車を見守った。
1997年8月の開館時から同館のシンボルで、木製水車日本一の大きさを誇っていた直径23メートルの大水車。2004年、岐阜県恵那市に「道の駅おばあちゃん市・山岡」に直径24メートルの水車が誕生し、日本一の座を譲った。15年からは、老朽化などに伴い回らなくなっていた。
新しく設置される水車の直径は24・2メートル。解体費を含めた総工事費は1億3千万円。年輪が均等に広がっている飯能産ヒノキ「西川材」を使用し、高さ14メートル以上、直径60センチ以上の丸太70本を伐採して準備してきた。
解体は今月中旬ごろまで続き、基礎工事もやり直す。5月の連休明けごろから組み立て始める見込みで、秋ごろ完成の予定。
見学会では64パーツある水受けを2パーツずつ解体する作業を見守った。2パーツの重さは700キロ。辺りにはチェーンソーでパーツを切る力強い音が響き渡った。切り離したパーツはクレーンを使ってトラックの荷台に乗せ、仮置き場に運ばれた。
水車を見ながら、その下で子どもを遊ばせていた当時を思い出したという毛呂山町の平野功さん(62)と妻珠磨子(たまこ)さん(57)は「完成するまでの工程にも興味があるので今度は孫と見に来ます。埼玉に日本一があって自慢です」と新しい大水車の完成が待ち遠しそうだった。