道で男性倒れ…家族が探す 助けた女子中学生3人が名乗らず立ち去る 3人探し近くの学校に連絡…見つかる
川島町立西中学校(大野喜裕校長)の全校集会で25日、道路で転倒して動けなくなった町内の男性(83)を救助した2年生の渡辺咲也(さや)さん(13)、後藤姫乃(きの)さん(13)、大森涼音(すずね)さん(14)に、東松山署(愛敬英司署長)から感謝状が贈られた。
同校によると、渡辺さんと後藤さんは、昨年12月25日午後5時15分ごろ、同町吹塚の町道脇のフェンスに、よりかかるようにして動けない男性を見つけた。直後に男性がバタンと倒れた。2人では心細かったので、近所の大森さんに連絡。渡辺さんが携帯で119番し、救急車が到着するまで3人で「どうしたんですか」「大丈夫ですか」などと声を掛け、男性を励ました。男性は「膝が悪く動けない」と話していたという。救急車が到着して男性が搬送されるのを確認してから帰宅した。
男性は病院には行かず、自宅に搬送された。男性が暗くなっても帰宅しないことから家族が心配し、同署に「行方不明」の届け出を出していた。その後、男性が名前を告げず立ち去った女子中学生3人のことを知人に話し、知人から学校に連絡があった。1月8日の始業式で、大野校長が3人の善行を話して、3人の名前が判明した。
3人はソフトテニス部の仲間。当日は冬休みで、午前中は部活で練習、午後はクリスマスで大森さん宅で遊んだ後、渡辺さんと後藤さんは自宅に帰る途中だった。
全校集会では、同署生活安全課少年係長の堀内節雄さんから3人に感謝状が手渡された。堀内さんは「これからも優しい気持ちを忘れないで」と声を掛け、大野校長は「声を掛けるには勇気がいると思う。勇気ある行動でした」と話した。
3人は「最初はどう対応したら良いか不安だったけど(力を合わせて男性を)助けられて良かった」と笑みを浮かべた。「まさか表彰されるとは思わなかった」とも話す3人の機転を利かせた連携プレーに、サンタクロースが改めてクリスマスプレゼントを贈ったようだ。