埼玉新聞

 

<熊谷小4ひき逃げ>無償でチラシ4万2千枚 本庄の印刷会社が2種類印刷「情報収集につながれば」

  • 文林堂印刷所の野坂弘幸社長(左)からチラシを受け取る母親=5日午後、本庄市

 熊谷市で2009年9月、小学4年の小関孝徳君=当時(10)=が死亡した未解決のひき逃げ事件で、本庄市の印刷会社「文林堂印刷所」が情報提供を求めるチラシを無償で作成し、5日、小関君の母親に手渡した。

 今回印刷されたチラシは計4万2千枚。これまでビラ配りなどで使用していた従来のものに加え、同社がデザインし直した新しいチラシの2種類を印刷した。

 きっかけは同社の野坂弘幸社長(59)が、県外の印刷所がチラシを印刷したことを報道で知ったこと。「近くのわれわれも役に立てないか」。昨年秋ごろ、県警に相談し、小関君の母親にも話を聞いて作成した。

 新しいチラシには、母親が民間の事故調査会社に依頼して分かった、事故に2台の車が関与している可能性や現場の状況がより分かりやすく記された地図などを記載。母親の強い思いから「犯人は秘密を抱えて生きていくのは難しいと思います。きっと誰かに話をしていると思います」という一文も盛り込んだ。

 母親は「今、分かっていることや伝えたいことを全て書いていただいた。情報提供もしやすいと思うので、ありがたい」とチラシを受け取った。

 野坂社長は「誰が見ても分かりやすいように心掛けた。情報収集につながれば」と話した。チラシは今後、ビラ配りや自治会の回覧板などに活用され、広く情報提供を呼び掛ける予定。

 同事件は昨年9月、罪名が危険運転致死罪(当時)に変更され、時効が10年から20年に延長された。

 母親のブログは「《未解決》熊谷市小4男児ひき逃げ事故!」。

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