埼玉新聞

 

米軍基地貫く580メートル 所沢の東西連絡道路が開通 病院への搬送短縮、市民の利便性も向上

  • テープカットする(左から)荻野敏行市基地対策協議会長、藤本正人市長、青木利幸市議会議長=28日午前、所沢市

 所沢市並木の米軍所沢通信基地を貫く東西連絡道路が28日開通し、記念式典と渡り初めが行われた。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、式典の規模は、当初の半数以下となり、関係者約30人が出席した。米軍関係者は出席しなかった。

 東西連絡道路は基地を横断する市道で総延長580メートル、幅員16メートルの片側1車線(車道3・5メートル、歩道4・5メートル)。歩道と基地は高さ2・1メートルのフェンスで仕切られる。総工費は約74億円。

 市は1976年から道路用地の返還を要望。2012年に日米で返還合意し、開通に向けて整備が進められてきた。市によると、開通により基地の周囲を迂回(うかい)せずに行き来でき、防衛医大病院への患者搬送時間が最大約3分短縮されるほか、市民の交通利便性が向上するという。

 市基地対策協議会の荻野敏行会長は「道路の開通は市民にとって長年の悲願。今後も基地全面返還が一日でも早く実現するように活動を継続していく」と話した。式典終了後には車による渡り初めが行われた。

 同基地は旧陸軍所沢飛行場を戦後米軍が接収。71年から段階的に返還され、今回が4回目。返還後の基地面積は約96万平方メートルとなる。

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