埼玉新聞

 

<新型肺炎>八木橋百貨店、地下食品売り場以外を休業 5月6日まで 主力は地上階「ただでさえ厳しい」

  • 緊急事態宣言に向けて準備する八木橋百貨店=7日、熊谷市仲町

 熊谷市仲町の八木橋百貨店は8日~5月6日、衣料や雑貨などを扱う店舗1~8階部分を臨時休業することを決めた。地下食品売り場のみ、午前10時~午後6時に時短営業する。感染拡大の終息が見通せない状況に、販売促進部長の宮地豊さん(58)は「この1カ月に特効薬が見つかるのを祈るしかない」と話す。

 休業中、販売担当の従業員は自宅待機や派遣元の他店舗勤務となり、管理部門の従業員は交代で出勤する。7日は取引先にも緊急事態宣言への対応を説明し、オーダーシャツなどを注文している顧客に引き渡し方法について連絡を入れるなど、「1989年の大規模改装以来」(宮地さん)となる長期休業への準備に追われた。

 自粛ムードの中で冠婚葬祭に使われるギフトの売り上げが落ち、百貨店は苦境に立たされている。3月の客数は例年の約3割減に。予定していた九州物産展などの催事も軒並み中止となり、22万部印刷したチラシの費用など既に損失が発生しているという。

 地下食品売り場は営業するものの、百貨店の主力は地上階部分。休業中の客離れも懸念される。宮地さんは「地方百貨店を取り巻く状況はただでさえ厳しい。1カ月休むと、かなり影響が出る。地域に必要なインフラの一部として認めてもらいたい」と語った。

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