埼玉新聞

 

匠大塚春日部本店、リニューアル 国内唯一の技術持つ県内伝統工芸、アレンジして商品開発「技術伝承を」

  • 県内の伝統工芸品展示ブースで展示販売されている越谷市の「籠染灯籠」

 4日にリニューアルオープンした匠大塚春日部本店は、同社が掲げる「伝統の継承と革新」のコンセプトを1階フロアに色濃く打ち出した。象徴されるのが、埼玉県内の伝統工芸品を集め展示販売するブースの設置だ。

 同店の千葉竜哉次長は「生活の中で和家具の必然性が薄れる中、購入者も減少している。伝統文化を守ることがわが社のブランドイメージでもあり、展示販売を通し支援していきたい」と説明する。

 現在、展示販売しているのは、越谷市の「籠染灯籠」。同市の中野形染工場が有する国内唯一の藍染技術「籠染め」で実際に浴衣染めに使用していた型を活用し、同市のデザイン会社のプロデュースにより内照式オブジェとして商品化された。近年、外国製の安価な浴衣の輸入増加で受注が激減し、籠染めによる浴衣染めは現在行われていないという。新たな商品開発は、伝統技術の保存が目的でもある。

 千葉さんは「商品の店頭販売は弊社のみ。伝統技術のアレンジにより開発された商品を販売支援することで、技術の伝承につながれば」と話す。今後も県内の伝統工芸品を集め、ブースを増やしていく予定という。

ツイート シェア シェア