うちの風呂場のぞいてた?! 帰宅中の16歳高校生が49歳男を追跡、柔道技で確保 川越署が感謝状、父も感慨
のぞき目的で住宅敷地内に侵入した男を確保し、逮捕に貢献したとして、埼玉県警川越署は8月31日、川越市内に住む県立ふじみ野高校2年生の岩崎輝(ひかる)さん(16)に感謝状を贈呈した。岩崎さんは、逃走する容疑者を追跡して取り押さえ110番。「絶対に捕まえてやろうと、夢中で追いかけた」と振り返る。
同署などによると、岩崎さんは同23日夜、友人と自転車で帰宅する直前、自宅敷地内に不審者がいるのを発見したという。近づいたところ、風呂場の窓から内部をのぞくような動きをしていた男が、高さ約1メートルのフェンスを乗り越え、自転車を使って路地を逃走。岩崎さんも自転車で150メートルほど追いかけ、男の体をつかんで引きずり下ろすと、なおも走って逃げようとする容疑者を柔道の授業で習った技で倒して確保した。
岩崎さんは、会社員の父隆治さん(46)に電話。帰宅していた隆治さんと付近の公園で合流し、通報したという。男は駆けつけた同署員に引き渡され、その後、住居侵入容疑で逮捕されている。
逮捕されたのは、市内に住む49歳の男で、同署によると容疑を認め、「のぞき目的で入った」と供述しているという。窓を施錠していたため、のぞかれずに済んだが、当時は大学3年生の姉(21)が入浴中。周辺では今年になって、若い女性がいる風呂場をのぞかれる被害が数件起きており、同署で警戒を強めていた。同署は類似手口の事件と男の関連を調べる方針。
岩崎さんは高校で水泳部に所属し、幼い頃からバレーボールにも打ち込んできた。「容疑者を追いかけるとき、鍛えてきた足の筋肉が少しは役立ったかも」とほほ笑む。感謝状の贈呈に同席した隆治さんは、「男として頼もしく育ってくれた」と喜んだ。
同署の木村宏志署長は「勇気と正義感に敬意を表します」と感謝の言葉を述べ、「ぜひ警察官を目指してもらいたい」と熱望。岩崎さんは将来、理容師になるのが夢だが、「警察官の仕事を間近に見て、ちょっと興味が出てきた」と応じ、「これからの自分にとって、いい経験をさせてもらった」と話した。