<新型肺炎>アパホテルに軽症者移送 自宅療養より環境整う カーテン閉まったバス着き、患者足早に館内へ
2020/04/16/00:00
新型コロナウイルスに感染した軽症者や無症状者の受け入れが15日から、さいたま市大宮区の「アパホテルさいたま新都心駅北」で始まった。防護服にマスク、ゴーグルを身に着けた自衛隊員が入念な準備をする中、マイクロバスで到着した患者らは足早にホテルへ入っていった。
この日は朝から、自衛隊員や県職員らが受け入れ対応の準備に追われた。自衛隊員は防護服が内側から破れないよう、腕時計や筆記用具を外したかなど、細部まで念入りに何度も確認。万全の態勢で患者の到着を待った。
ホテルでは看護師2人が2交代制で24時間常駐し、医師も日中はホテルで待機する。2棟ある1棟をスタッフ専用、もう1棟を患者専用にするという。
正午すぎ、患者を乗せたマイクロバスがホテル正面玄関前に到着。バスは全ての窓がカーテンで閉められ、自衛隊員によってビニール袋に包まれた大きな荷物が次々と館内へ運ばれた。しばらくするとマスク姿の患者が下車し、足早に館内へ向かった。
県保健医療部によると、初日の受け入れは、午前に未就学児1人を含む4人、午後に6人の計10人。対象は現在入院中で、すでに回復して陰性確認を待っている患者など。今後も1日10人程度をめどに、ホテルで療養してもらう予定。
ホテル近くに勤務先がある40代の女性は「報道陣の多さで今回のコロナ感染者の移送を知った。患者さんには大変申し訳ないが、少し不安にも感じる」と話していた。
県保健医療部は「ホテルの協力で今回初めて受け入れが実現でき、ひとまず安心。自宅療養より管理された環境が用意できるので、ホテルで今後も対応していきたい」と話した。