<新型肺炎>再休校や在宅勤務で利用減 埼玉のバス会社、平日も土曜日ダイヤに 高速バスは運休も
新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからない中、休校や在宅勤務の広がりを受け、県内の主要バス会社に減便や運休する動きが出ている。路線バスの平日ダイヤを土曜日ダイヤに切り替えたり、羽田、成田両空港などへ向かう高速バスの運休などがみられる。多くの運転手を雇用している中での局面に、各社は各種対応を進めている。
県南東部などで路線バスを運行する国際興業(東京都)は20日から、医療機関を結ぶ一部路線を除き、ほぼ全路線で平日の運行を平日ダイヤから同ダイヤより2割便数が少ない土曜日ダイヤに転換した。休日ダイヤは平日ダイヤより3割少ないことも考慮し「減便の影響で一部バスに混雑が集中するのを極力避ける」(同社広報部)ため、土曜日ダイヤを採った。
減便の決め手は緊急事態宣言を受けての再休校など。宣言を受け、多くの企業でテレワークなどが増え、主要駅発着の路線バスの利用減も一因だという。このほか、県内から羽田、成田両空港に結ぶ高速路線バスや、大宮駅発の深夜急行バスも当面の間の運休を決めている。
一方で西武バス(所沢市)は、宣言による休校の影響もあるものの、路線バスは、ほぼ全線で平日も平日ダイヤを続ける。「利用客の利便性確保や運転手の勤務体系を維持するために、ダイヤの切り替えは行っていない」(同社広報部)という。今後の情勢の変化によっては、変更を検討すると話す。3月単月の運賃収入は、通勤、通学客の利用が減ったこともあり、前年同月より減少したという。
東武バス(東京都)も基本的には平日ダイヤで運行する。ただし、20日から草加駅や川口駅、北朝霞駅から発着の一部路線で、平日運行を平日ダイヤから土曜日または休日ダイヤへの変更、運行の休止がある。同社も今後の状況を踏まえ、ダイヤの切り替えなどを検討するとした。
両社ともに高速バスについては基本的に国際と同様の対応を採る。西武は11日の都内から新潟県を結ぶ路線を皮切りに21日までに全便を、東武は県内から福島県や神奈川県、両空港に向かう便を、それぞれ当面の間運休する。
規模に限らずバス会社の大きな悩みの種は、貸し切りバス利用が大幅減となったこと。4~5月の大型連休時には需要が高いが、3社ともに「今季は、需要はほぼ皆無」と話す。各社ともに運転手の一時休暇や、路線バスの運転手含めた交代制などで対応するとしつつ、本音は「(新型コロナ)の早期収束による、利用の回復」と声をそろえた。