<埼玉の味レシピ>秩父で愛される「みそポテト」 グルメ王にも輝く ジャガイモと小麦粉あれば誰でも
秩父地域には農作業の合間など小腹がすいた時に手軽に作って食べられる郷土料理「小昼飯(こじゅうはん)」がある。不要不急な外出の自粛にもう飽き飽きという人も多いと思うが、こんなときこそ家庭で郷土料理を作ってみては。"埼玉の味"を家族で味わえば、心もほっこりしてくるはずだ。
みそポテトはゆでたジャガイモを油で揚げ、みそだれを付けて食べる料理。秩父地域の家庭で古くから愛されるメニューで、子どもから大人まで幅広い世代に親しまれている。2009年に秩父市内で行われた「第5回埼玉B級ご当地グルメ王決定戦」で優勝したことから、B級グルメとしての認知度も高まった。
小鹿野町下小鹿野の倉林昌子さん(73)にみそポテトを作ってもらった。倉林さんは旧両神村(現小鹿野町)出身。みそポテトはおやつとして、子どもの時から食べていた。現在も定番の一品で、学習支援ボランティアの際には子どもたちに自家製のみそポテトを振る舞うことも。今も昔も子どもに人気の家庭の味だ。
「みそポテトはジャガイモと小麦粉があれば、誰でも簡単にできる」と倉林さん。ジャガイモは25分ほど蒸した後、むきやすいように熱いうちに皮をむく。水で溶いた薄力粉や片栗粉を付けて油で揚げるが、油がはねることもあるので注意を。約5分揚げると、おいしそうな一品が出来上がった。
揚げたてを早速食べてみると、ホクホクとしていて、甘いみそだれともよくマッチしている。素朴な料理ではあるが、どこか懐かしさを感じる味わい。癖になる味で、また一つ、また一つとついつい食べたくなってしまう。倉林さんは「すぐにできるので試してほしい。新しいジャガイモより古いジャガイモの方がしっとりしていておいしいかな」とアドバイスしてくれた。
倉林さんは自分たちでみそを造る市民団体の副会長も務める。みそは10年以上前から手掛けており、公民館でみそ造りの講師も務めた。コメや大豆はできるだけ地元産にこだわり、毎年みそを仕込む。手造りのみそは地域住民からも評判を呼んでいる。「みそポテトにも使う甘いみそは常備しておくと便利で、パンに塗って食べてもおいしく味わえる」と話していた。
■レシピ
【材料(4~5人前)】
ジャガイモ10個、薄力粉120グラム、片栗粉40グラム、水100ミリリットル、サラダ油適量
【みそだれ】
みそ100グラム、砂糖100グラム、酒40ミリリットル
【作り方】
1 みそだれの材料を合わせて火にかけ、煮詰めてみそだれを作る
2 ジャガイモはゆでて皮をむき、一口大に切る
3 薄力粉と片栗粉を水で溶き、衣を作る
4 ジャガイモに衣を付け、180度に熱した油で揚げる
5 熱々のジャガイモにみそだれをかけて出来上がり