埼玉新聞

 

<新型肺炎>手指消毒用液の代用品に 加須の酒造会社、高濃度アルコールを販売 一般向け商品は27日から

  • 手指消毒用の高濃度アルコール製品を持つ釜屋の小森順一社長=加須市騎西の釜屋

 加須市騎西の酒造会社釜屋が22日から、新型コロナウイルス感染症拡大で不足している手指消毒用液の代用品として、高濃度アルコール製品「KAMAYAアルコール77%」を製造し、販売を始めた。当面の間は、県内の医療機関限定商品とする。一般向けの商品として、27日から同様の「KAMAYAスピリッツ65%」を販売する。

 消毒用エタノール不足の深刻化を背景に、厚生労働省医政局が10日付で医療機関などに「酒類製造業者が製造する高濃度エタノール製品を手指消毒用に使用して差し支えない」と通達したのを受け、製造を進めてきた。釜屋では関係各所に相談の上、醸造アルコールと香料を使って商品化した。

 当面、医療機関向けとした77%は、700ミリリットル入りで小売価格1800円(税別)。一般向けとした65%は、700ミリリットル入りで1600円(税別)。医療機関などで消毒用エタノール不足が解消できれば、77%も一般向けの出荷にするとしている。

 釜屋では21日、医療機関などへの配布を目的に、77%の製品を100本、加須市に寄付した。釜屋の小森順一社長(40)は「新型コロナウイルス感染症のため、日本中、いや世界が疲弊している。うちとしても、防止の一助になればと商品化した。今後、週に300本ずつ程度を製造、販売していく」と話した。

 65%の製品は、釜屋のオンラインショップをはじめ一般の酒販売店などで販売する。釜屋では「需要がひっ迫している。在庫状況や出荷予定などは釜屋のホームページで随時掲載するので、問い合わせの前に確認してほしい」と呼び掛けている。

ツイート シェア シェア