埼玉新聞

 

<新型コロナ>ドライブスルーでPCR検査 越谷市、27日から運用開始「医療機関も患者も安心」

  • 予行演習で行われたドライブスルー方式による検体採取=25日午後、越谷市東越谷10丁目の市夜間急患診療所

 新型コロナウイルス感染症のPCR検査態勢を強化するため、越谷市が設置した「市地域外来・検査センター」で25日、ドライブスルー方式による検体採取の予行演習が実施された。運営を委託された越谷市医師会の登坂薫会長は「医療機関も患者も安心できる」と期待を示した。27日に運用を開始し、5月末まで実施する予定。

 新型コロナウイルス感染の検査を求める人たちが保健所に電話してもつながらなかったり、検査に進まなかったりする実例が全国各地で起きている。越谷でも同様で、市医師会は検査センターの立ち上げを検討していたという。登坂会長は「濃厚接触者の追跡調査もあって、保健所の職員は忙しく疲弊している。センターができて、保健所が少しでも楽になれば、別の仕事に力を回せる」と話した。

 登坂会長は「検査センターができて、新型コロナウイルスの患者を早く発見できる」とした上で、患者を保健所に報告すれば、県の調整本部が重症、中等症、軽症などと分けて、入院先や宿泊施設への調整が可能になると説明した。

 同方式は屋外で車に乗車したまま検体採取が可能で、病院内などの感染リスクを軽減できる。市は「医療従事者が感染しないために最善を考えた」としている。この日は、防護服、フェースガード、手袋などを着用した医師が、車の窓越しに患者役の人の鼻から長い綿棒で検体を採取。試験管に検体を入れるなど、一連の流れを確認していた。防護服や手袋の着脱訓練も行われた。

 同センターは市夜間急患診療所に設置。27日から日曜・祝日を除く5月末まで実施する予定で、全国の感染状況などを見て継続するか判断する。時間は午後1時~同3時。市医師会の医師2人、看護師2人、事務員8人の態勢で2グループに分かれて行う。市保健所と合わせて1日で最大40人の検査が可能となる。

 検査対象者は、感染疑いで市内医療機関を受診した後、医師が検査を実施すると判断した軽症患者。民間の検査機関に依頼し、結果は2~3日後に判明する。患者の自己負担は約1800円。

 県は検査態勢を強化するため、県内の23郡市医師会と連携し、「発熱外来PCRセンター」を県内各地に設置する方針。30日の臨時議会に提出される2020年度一般会計補正予算案に関連費用が盛り込まれている。

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