埼玉新聞

 

<新型コロナ>伊奈町立学校給食センターで調理員が布マスク手作り 給食再開を目指して懸命に取り組む

  • 調理器具をミシンに換えて児童のマスク作りに励む給食調理員ら=伊奈町小室の町立給食センター

 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため学校の臨時休校が続き、町内全7校の給食が中止となっている伊奈町立学校給食センターでは、調理員が児童用の布マスクを手作りしている。「子どもたちに学校で使ってほしい」と給食再開の日を目指して懸命に取り組む。

 マスク作りは今月15日にスタート。長引く休業で機械の清掃以外に職員や調理員たちで何かできないかと手探りで始めた。森田慎一所長(59)によると、同じく給食センターでマスクの手作りを行っているときがわ町にノウハウを聞き、同町のホームページでも紹介されている作り方を参考にしたという。

 ミシンとアイロンは4台ずつ小針北小学校から借りてきた。材料は綿のさらし布とゴムひも。サイズは子ども用で34センチ×21センチ。布を裁断し、アイロンをかけ、ミシンで袋縫い。三つ折りをしてまたアイロンをかけ、ゴム通しの部分を縫い、さらにスチームアイロンで滅菌して乾かし、ビニール袋に入れる。密にならないよう13人が広いスペースを使い、離れて作業をしている。

 小池千香子さん(40)は「普段は調理をしているので、最初はどこからやろうかと戸惑った。みんなで工夫して分業したら、うまくいった。学校が再開したら、給食の時に使ってもらいたい」と話す。

 当面の目標は小学校1、2年生819人分だったが、19日までの3日間で半数をクリアしている。森田所長は「調理員の皆さんの手際が良く、思ったよりスムーズに作業が進んだ。材料が追加できれば、今月末までに4年生分くらいまでは作れるかも」と期待しつつも「早く通常の生活に戻って、おいしい給食を届けたい」と力を込めた。

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