旬の素材に手間暇かけて…心も体も喜ぶ料理を気軽に 創業30年迎えた熊谷の「自然食料理処 田べい」
埼玉県熊谷市星川1丁目にある「自然食料理処 田べい」は今年で創業30周年を迎えた。無農薬のオーガニック素材を使った自然食が売りで、女性客らから人気を集めている。女将の田部井圭美(ますみ)さん(46)は「かつて自然食は見向きもされなかったけど、時代の流れで徐々に人が付いてきてくれた」と語る。
田部井さんは群馬県太田市出身。高校卒業後、全国各地の宝石店などに勤務した。帰郷後に夫の覚(さとる)さん(44)と知り合って結婚し、覚さんの両親が始めた同店を手伝うことに。家庭でも自然食を中心とする生活で、化粧品や洗剤もオーガニック商品を使うようになっていった。
自然食では旬以外の食材を手に入れることが難しく、時期に合わせた食材を使用。ランチは「日替わりオーガニックプレート」(税込み1600円)に加え、金土曜限定で「豆富御膳」(同1800円)を用意する。地元産野菜や菜種油なども使い、持続可能な開発目標(SDGs)を実践。「なるべく地元のものを使いたい」と笑顔を見せる。
新型コロナウイルスの影響で健康志向が高まったことで、自然食などに関心を持ってくれる人も増えた。以前は年配の客層が中心だったものの、最近は若い客層も徐々に増えてきているという。「昔より忙しくなってきていて、少しずつ時代の流れが変わってきた」と改めて実感している。
新型コロナの影響で、多くの人が健康のありがたさを実感。店では手間暇をかけた料理を提供し、来店客の健康に寄与することを望んでいる。「人が生きていくことで一番大事なものは健康で、自然なものは心も体も喜ぶ。自然食の良さを知ってほしいし、健康の手助けをしていきたい」と話していた。
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田部井さんは2日午後8時から放送されるコミュニティーFM「FMクマガヤ」の「須永公人の週刊フードラボ」に出演する。