埼玉新聞

 

血が出た…転倒した男性動かず 雨宿りの中学生2人、冷静に対応「体育で救護習った」 男性が感謝の手紙

  • 会田雄一署長(右)から感謝状を受け取った山下梨乃さん(左)と田中優有さん=1日午前、大宮西署

 転倒した男性を救護して人命救助に貢献したとして、大宮西署は1日、さいたま市立日進中学校2年の女子生徒2人に感謝状を贈呈した。

 感謝状を受け取ったのは、同校の田中優有さん(13)と山下梨乃さん(14)。

 2人は5月26日午後3時半ごろ、さいたま市西区三橋5丁目の「さいたま市三橋総合公園」で雨宿りをしていた際、土手で釣りをしていた男性(72)が転倒するのを目撃。すぐに駆け寄り声を掛け、田中さんが自身のスマートフォンで110番した。男性からは反応がなく、額にけがをしている様子から「血が出ているので動かなくて大丈夫ですよ」などと話し、到着した救急隊員を現場まで案内した。

 「救急車が来るまでは不安だったが、体育の授業で『けが人をむやみに動かしてはいけない』と教わったことを思い出した」と山下さん。2人には署を通して男性からお礼の手紙などが渡され、「男性が助かって良かった」と顔を見合わせてほほ笑んだ。

 同署の会田雄一署長は「冷静で優しさのあふれる行動のおかげで大事に至らずに済んだ。本当に感謝します」と2人の功労をたたえた。

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