人気“チキンカツ定食”も味わえる!眠る人気スポットの数々 熊谷駅~立正大学のエリア、埼玉誇る名所も
熊谷駅南口から荒川方面へ徒歩5分ほどで、熊谷の名所の一つ熊谷桜堤のある荒川の土手に着く。春は約500本のソメイヨシノが桜のトンネルをつくり、黄色い菜の花が一緒に咲き連なる。「日本さくら名所100選」にも選ばれ、市内外の多くの人を魅了する。立正大学までの約1時間の散歩コースは、古墳や熊谷次郎直実ゆかりの史跡なども楽しめる。
ことし8月、4年ぶりに花火大会が開催され、1万発の花火が夜空を飾った。荒川土手は駅から近く、熊谷の人気のスポットの一つだ。秩父方面の山々を眺めながら荒川大橋を渡り村岡方面へ。荒川大橋はかつて木造の橋が架けられていたが、度重なる洪水に見舞われ、1925年に九連トラス橋となった。「トラス」とは、構造体骨組の一種で、部材をピン接合して三角形を構成した骨組みのこと。その橋も81年に撤去されたが、その一部が橋を渡った先にある「荒川大橋トラス広場」に保存されている。
国道407号から「村岡三叉」の交差点で森林公園のある滑川町方面へ進むと、村岡集会所の敷地内に茶臼塚板石塔婆がある。鎌倉時代の1221年、直実の子孫が建てたとされ、高さは3メートル以上あり市内最大規模。村岡は小高い丘や塚が多いことを意味する「群れ岡」が変化したものとされ、周辺地域には多数の古墳があったという。堤防の改修時に塚が削平され、その際に勾玉(まがたま)などの装飾品が出土した。
先に進むと2017年に開設50周年を迎えた立正大学の熊谷キャンパスがある。東京ドーム8個分に相当する広大な敷地で、当初から緑のキャンパスと自然との共生を掲げ、地域に開かれている。1級河川の和田吉野川がキャンパス内に流れ、かつては熊谷市と江南町の境目もあった。
駅から大学までのウオーキングツアーを企画している同大地球環境科学部4年で、茨城出身の奥村教至さんは、「実際に歩くことで、バスや車で通っているだけでは気付かない魅力が見つかり、熊谷をより好きになった」と話す。
学内の食堂は一般も利用できるほか、寮の食堂は土曜日も営業している。大学の雰囲気も楽しみながらリーズナブルな食事も楽しめる。また、近くには1977年創業の「すみれ食堂」もある。創業者が土地を購入した当時、この付近にスミレの花が咲いていたのが店名の由来。和洋食メニューの中でも創業時から続く「チキンカツ定食」(税込み千円)が人気で、地域の市民や学生らでにぎわっている。
休憩をして帰りは大学からバスやシェアサイクルの利用もお薦めだ。学業成就の願いを求め、他県からも多くの人々が訪れる文殊寺に寄るのもいい。
【メモ】すみれ食堂(電話048・536・6877)、午前11時半~午後2時半、午後6時~同10時。日曜・祝日定休。