埼玉新聞

 

地下鉄12号線の延伸どうする 新座市長選、賛成現職と反対新人の一騎打ちか 前回と同じ顔触れの公算

  • 朝賀英義氏(左)、並木傑氏(右)

 任期満了に伴う新座市長選は28日告示、7月5日に投開票される。再選を目指す無所属で現職の並木傑(61)=自民、公明推薦=と、元市議で共産公認の新人の朝賀英義(70)両氏が立候補を表明している。このほか、新人男性2人が出馬に向けて準備を進めているが、流動的だ。並木、朝賀の両氏は前回選挙で、新人同士の一騎打ちを行っており、今回も同じ顔触れによる選挙戦になる公算が大きい。

 新型コロナウイルス感染症の収束が見えにくく、コロナ禍の支援事業などに直面する中、土地区画整理事業や地下鉄12号線の延伸など大型プロジェクトを推進する並木市政の4年間の評価と、こうした事業を見直し、高齢者福祉など社会保障の充実を優先するかが争点となりそうだ。

 並木氏は朝霞市出身。商社勤務などを経て1996年から連続5期市議を務めた。議会では与党会派の代表を務めるなど前市長の須田健治氏をを支えた。須田氏が勇退した前回選挙は、保守系市議らの支援を受けて出馬。大型プロジェクトの推進など須田市政の継承を訴え、初当選した。

 今年1月には大野元裕知事や地元国会議員らを集めた市政報告会を開催。支持基盤を固めるとともに、3月議会で「待機児童解消のため保育園などを増設した」などと4年間の実績を強調。その上で「目指すべき将来像の実現に向けて市政のかじ取り役を務めたい」と再選の意向を示唆した。

 朝賀氏は新潟県出身。高校卒業後、菓子メーカー勤務などを経て1979年の市議補選で初当選。以来16年まで10期連続市議を務めた。今月15日、「この4年間で介護保険利用料の補助や精神障害者の助成が廃止されており、市の福祉制度を取り戻したい」と立候補を表明した。

 公約に20人学級の実現や国保税、介護保険料の引き下げなどの政策を掲げ、「大型プロジェクトを延期してでも福祉政策を優先させる」と訴える。コロナ禍対策では、PCR検査体制の充実、水道基本料金の4カ月間の無料化、12月までの新生児の10万円給付などを提案している。

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