埼玉新聞

 

息子装う電話、子供いない女性が現金貸し付けの相談 窓口の郵便局員が説得、被害防ぐ 幸手署が感謝状

  • 感謝状を手にする長浜一哉局長(中)と大倉貴子さん(右)

 幸手署は6月30日、オレオレ詐欺被害を未然に防いだとして幸手中郵便局の長浜一哉局長(58)と大倉貴子さん(55)に感謝状を贈った。

 同署によると、4月10日午後2時ごろ、市内在住の女性(80)方に、息子を装う男から「書類を誤って配達してしまった。誠意として会社に50万円ほど支払わないといけない」などと電話があった。女性には子供がいなかったが、隣家の息子だと思い込み、「いつもあいさつをしてくれるその息子さんのためなら」と、同日午後2時25分ごろ、同局に現金貸し付けの相談に訪れた。窓口担当だった大倉さんは、オレオレ詐欺を疑い、「今日は間に合わないと先方には伝えて、来週また来てください」などと説得して女性を思いとどまらせ、同署に通報して被害を未然に防いだ。

 鰺坂裕一署長が感謝状を手渡した。長浜局長は「なかなかないことなので名誉なこと」と喜び、大倉さんも「隣家の息子さんのためという特異なケースだが、被害に遭わずに済んでよかった」と述べた。被害女性は同署に感謝の意を寄せたという。

 生活安全課の大塚英世課長は「新型コロナウイルスの影響で、キャンペーン活動が中止となり周知が難しい状況。関係機関と連携を密に取りながら被害防止に努めていきたい」と話した。

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