埼玉新聞

 

<新型コロナ>東京で過去最多の感染者 埼玉も無関係でない…大野知事、緊急宣言の要請「あり得る」

  • 埼玉県庁=さいたま市浦和区高砂

 東京都は9日、新型コロナウイルスの感染者が新たに224人報告されたと明らかにした。1日当たりの感染者数では緊急事態宣言下の4月17日の206人を上回り、過去最多。感染経路が不明なのはほぼ半数に当たる104人で、重症者はいなかった。

 県は同日、22人の感染が判明。大野元裕知事は取材に、県として国に緊急事態宣言を要請する可能性に言及した

■「憂慮すべき」大野知事懸念 西村大臣との会談中止

 大野元裕知事は9日午後、新型コロナウイルスへの対応について意見交換するため西村康稔経済再生担当相を訪問したが、面会は急きょ中止となった。同日、東京都で確認された感染者数が過去最多の224人に上ったことが影響したとみられ、記者団の取材に応じた大野知事は「(東京の感染者数の)中身を見ないと分からないが、憂慮すべき状況であり埼玉も無関係とは言えない」と述べた。

 8日に夜の繁華街において対策が不十分な飲食店などの利用を避けるよう県民に求めたことに触れ、「対象を絞った対応を行ったので、影響を見極めつつクラスター対策も同時に進める」と話し、「県として国に緊急事態宣言を要請することもあり得る」との考えを示した。

■「大きな危機感」清水さいたま市長

 東京都で最多の224人の感染が判明したことについて、さいたま市の清水勇人市長は9日、取材に「東京都の感染者数とさいたま市の数はリンクしてくる。100以上の数字が続いていったん下がり、減少局面に入るのかと期待していた。大きな危機感を持っている。かなりインパクトのある数字で、市として、さらに感染防止を強化していく必要があると感じた」と述べた。

 県は8日、新型インフルエンザ特措法に基づき、夜の繁華街で感染症対策が十分でない飲食店などは利用を避けるよう求めた。清水市長は「私も賛成。きちっと対策を取ることが必要で、(市民の皆さんは)そういった判断の中で行動をしてほしい」と述べた。

ツイート シェア シェア