埼玉新聞

 

トイレ面倒どうすれば…カインズで“車中泊”体験、災害時に備え開催 家族ら参加 大雨で車外に出れず、飽きて騒ぐ子どうしよう…知っていると助かる知識、楽しんで身に付き充実 慣れておくべき簡易トイレ

  • 災害を想定し車中泊を体験する参加者=朝霞市

    災害を想定し車中泊を体験する参加者=朝霞市

  • 災害を想定し車中泊を体験する参加者=朝霞市

 災害時に自動車内への避難を余儀なくされた場合の準備と知識を習得してもらおうと、朝霞市根岸台の「くみまちモールあさか」内のホームセンターカインズ朝霞店で28、29日、車中泊体験が実施された。

 催しは朝霞市とカインズ社の災害協定や包括連携協定に基づき、まちの防災力向上を図ろうと初めて企画された。

 同店2階駐車場の一角に特設会場が設けられ、市内外の小学生のいる家族10組が自家用車を持ち込み、ハザードマップやマイタイムライン(防災行動計画)の確認、米の炊き出しや災害用トイレ、口腔(こうくう)ケアやエコノミークラス症候群の予防体操などを専門家から指導を受けた。

 28日夜は大雨災害時を想定してそれぞれ自家用車で車中泊。座席シートを倒して普段使っている寝具やアウトドア用品などを使い、車内で一晩を過ごした。

 東京都小平市から家族4人で参加した對馬翔さん(35)は「(子どもたちが)トイレを面倒くさがって水分をほとんど取ろうとしなかったので、日頃から簡易トイレに慣れておくことが大切だと思った。車中泊は自宅の駐車場でも気軽にできるので、数カ月に1回くらいは、家族で楽しみながら慣れておきたい」と振り返った。

 安全な車中泊や避難行動を指導した群馬大大学院の金井昌信教授は「今回は大雨を想定して訓練を行ったが、子どもたちが外に出られない状況下で、車内で数時間をどうやり過ごすか。実際は(子どもたちが)飽きて騒いでしまうことを事前に知っておくだけでも貴重な経験になる。リアルな体験として記憶にとどめておいてほしい」と話していた。
 

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