埼玉文学賞の受賞者決まる 正賞は小説部門・佐久さん(吉川市)、短歌部門・大渕さん(熊谷市) 応募は歴代2番目に多かった937点 準賞や佳作は
埼玉新聞社が創設し、埼玉りそな銀行が特別協賛する「彩の国 埼玉りそな銀行 第54回埼玉文学賞」の受賞者が決まった。正賞には、小説部門で吉川市の佐久耕二さん(65)=筆名=の「トリ屋のおじさんとの約束」、短歌部門で熊谷市の大渕まこさん(33)=筆名=の「夏の庭先に出て」が選ばれた。詩部門と俳句部門は正賞の該当作がなく、準賞を各2点ずつ選んだ。
第54回 彩の国・埼玉りそな銀行「埼玉文学賞」の正賞・準賞作品はこちら
「トリ屋のおじさんとの約束」は、うそつきだが憎めない性格のトリ屋のおじさんと少年の交流と、少年の目を通して社会の矛盾を描いた。「夏の庭先に出て」は、生後半年の長男の子育ての日常を観察眼を利かせて詠んだ20首。
準賞は、詩部門が川越市の小野ちとせさん(70)=筆名=の「蜂蜜」と、滑川町の那須野明さん(75)の「階段」。俳句部門からは狭山市の山﨑加津子さん(76)の「空飛ぶくるま」、さいたま市の吉田孝子さん(55)の「ラ・フランス」が選ばれた。
正賞の賞金は小説部門が100万円、その他の部門は各30万円(準賞は半額)。授賞式は20日、さいたま市内のホテルで行われる。第54回埼玉文学賞は5~8月に作品募集が行われた。4部門の応募総数は937点で、歴代2番目に多かった。=5面に受賞者の略歴、3日付に作品を掲載
■小説部門(正賞)
「トリ屋のおじさんとの約束」
佐久耕二さん(65)吉川市・筆名
〈佳作〉
「追憶の果」
菊池篤(きくちあつし)(33)=さいたま市中央区
「ハードボイルド転校生」
四ノ宮青(しのみやあお)(27)=さいたま市浦和区・筆名
■短歌部門(正賞)
「夏の庭先に出て」
大渕まこさん(33)熊谷市・筆名
〈佳作〉
「夏の図書館」
神谷小百合(かみやさゆり)(62)=坂戸市
「なくしたもの」
青崎(あおさき)はぐれ(24)=越谷市・筆名
「美しい水溜り」
大野博司(おおのひろし)(48)=春日部市
■詩部門(準賞)
「蜂蜜」
小野(おの)ちとせ(70)=川越市・筆名
「階段」
那須野明(なすのあきら)(75)=滑川町
〈佳作〉
「北耕地」
高橋裕子(たかはしゆうこ)(71)=川越市
「切り替わる瞬間」
夢佳苗(ゆめかなえ)(28)=さいたま市南区・筆名
■俳句部門(準賞)
「空飛ぶくるま」
山﨑加津子(やまざきかつこ)(76)=狭山市
「ラ・フランス」
吉田孝子(よしだたかこ)(55)=さいたま市西区
〈佳作〉
「古利根」
伊藤恭子(いとうきょうこ)(78)=春日部市
「へだたり」
浅野都(あさのみやこ)(80)=川口市・筆名
「雑唱・老いの日々」
農賀水持参(のうがみずじさん)(81)=蓮田市・筆名
(敬称略)