昭和初期に生まれたソウルフード、行田フライを食べて元気になってもらう「エール飯」が、夏休みの小学生に振る舞われることになった。「行田ゼリーフライ本舗・たかお」（行田市本丸1の14）で、夏休み中の火曜日に提供する。店主の飯島隆夫さん（70）は「行田のソウルフードで、子どもたちに元気になってほしい」とエールを送る。

　ソウルフードは、その地域で特に親しまれている料理で「たこ焼きが大阪のソウルフード」といわれているように、行田といえば、ソウルフードはフライということになる。

　足袋づくりの最盛期。寸暇を惜しんで働く女子工員たちの間で、手軽に食べられるおやつとして広まったのが、お好み焼きに似た行田の「フライ」。今でも「フライ屋さん」が30軒以上ある。地元にとってはソウルフード、観光客には名物として親しまれている。しかし、経営者の高齢化が進み、後継者不足はいかんともしがたいのが現状という。

　新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、行田市の小学校の夏休みは8月1日～23日になった。飯島さんは夏休みの毎週火曜日に、行田フライを小学生に無料提供したいと市に申し出た。エール飯に専念できるよう、同店定休日の火曜を選んだという。

　3日、10日、17日の午前11時～午後1時に提供。各日50食用意するが、「せっかく来店してもらったのに、品切れだと申し訳ない」という配慮から、事前に電話での申し込み制にした。すでに受け付け中だ。飯島さんは「次代の子どもたちが元気に。そして味の記憶が残ればうれしい」と話している。申し込みは、たかお（電話048・556・3610）へ。