本格すしで地域を元気に 北浦和店の大衆すし酒場、採算度外視でテークアウト 家族向け商品も好評
2020/08/12/00:00
新型コロナウイルスの感染拡大で、飲食店の中でも深刻な影響を受けている居酒屋。仕事帰りのサラリーマンや地域の人々の憩いの空間も失われる中、県内に2店舗を構える「大衆すし酒場 じんべえ太郎」北浦和店では、地域を元気づけようと採算度外視で本格すしのテークアウト販売を始めている。
店頭入り口にガラスの冷蔵ケースを設け、店内ですし職人が握った持ち帰り用のちらしずしや巻きずしなど26種類を販売。酒類の主要納品先であるサントリーと商品開発した人気の「じんべえちらし」(690円税抜)は、マグロやサーモン、シラスなど約15種類のネタがシャリが見えないほど盛られた豪華な一品。テークアウト開始の7月15日から3日間は、破格の390円(税抜)で販売。すしと揚げ物などがセットになった家族向けの商品も好評だ。
同店では、コロナの感染拡大で緊急事態宣言後の4月8日から休業し、5月29日から対策を万全にして営業を再開したものの、客足の戻りは鈍く、売り上げは前年の同期に比べ約4割減だという。
特徴あるテークアウトメニューを収益の新たな柱にするなど、居酒屋にはこれまでとは違う試みや知恵が求められる中、店を経営するしんしん丸(さいたま市浦和区)の渡辺力専務は「店舗の経営ももちろんだが、地域を元気にしたいという思いが一番。原価度外視の、ほかの店にはないテークアウトメニューで、地域を元気づけるお手伝いをしたい」と話している。
テークアウト販売は好調で、6月に坂戸市に開店した2号店でも検討している。