埼玉初の誕生か!熊谷市役所の本庁舎、埼玉県庁“北部拠点”が合同庁舎になる可能性 両者が検討開始 場所は熊谷「コミュニティひろば」予定 合同庁舎めぐり市と県、それぞれの事情「時間がない」
熊谷市は22日、老朽化が進行している市役所本庁舎について、県が熊谷市本町の「コミュニティひろば」に整備を予定する北部地域振興交流拠点と連携して同所に庁舎移転を検討すると発表した。県は北部拠点を先行モデルとして県庁機能の一部を移転させる方針も示しており、県と市の合同庁舎となれば県内初という。
市企画課は「北部拠点の導入・施設については県市の行政機能の連携により、市民へのサービスと利便性向上が期待でき、県と市が連携・協力して整備を進めていきたい」と話した。
市によると、市役所本庁舎は1972年度に完成した建物。大規模改修工事も実施しているが、建設から50年以上が経過しており、建物の耐久年限も2032年度に迫る。市は22日に開いた市議会全員協議会で、本庁舎の在り方について、北部拠点の県との検討と並行して市議を含めた組織で検討したいことを報告した。
同ひろばは同市本町の市役所通りと国道17号の交差点脇にあり、面積約7500平方メートルを県と市が所有する。県北部の産業振興拠点となるテクノグリーンセンターの建設予定地だった場所で、1988年に立地が決定し、取得費は県と市で約72億円に上る。だが、バブル崩壊などの影響で計画は頓挫した。その後もさまざまな案が浮上したが、実現されなかった。
北部拠点は県の5か年計画に掲載されている。産業振興を視点に昨年度は「北部地域産業振興機能検討委員会」、本年度は「北部地域産業振興施設等検討委員会」で検討され、県・市関係職員による「北部地域振興交流拠点連絡調整会議」も10月に行われた。
■北部拠点事業、具体化へ
県が熊谷市に新設を予定している北部地域振興交流拠点(仮称、以下北部拠点)事業について、2024年度当初予算案に計上する方向で調整していることが関係者への取材で分かった。12月4日に開会予定の県議会12月定例会でも具体化が進むとみられ、県幹部は「県庁舎の建て替えもあり、時間はない。(予算案を提出する)2月定例会までに白黒をつけたい」と話した。
大野元裕知事はデジタルトランスフォーメーション(DX)を前提に、本庁機能の一部を北部拠点へ移管する考えを表明しており、9月定例会でも「本庁の業務や職員を地域機関に移せないか、大胆な着想から、組織の在り方についてもゼロベースで検討する必要がある。(県庁舎建て替えの)先行モデルとして北部拠点の検討を進めている」と答弁していた。
県幹部は「移管する機能は各部にヒアリングを行って検討している段階。どこでも仕事ができるようにするサテライト(オフィス)の一つ」と見通しを示した。